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 2021年初頭から顕在化している半導体不足の影響が、自動車向けだけでなく、スマートフォン(スマホ)向けなどあらゆる応用機器の生産を阻害するまでに広がっている。ユーザー間で、業界を超えた半導体の争奪戦が起きている状況だ。

 半導体不足によって、現在のサプライチェーンでは、市場環境の急激な変化に柔軟・迅速な供給体制の対応ができないこと、特定応用分野での需給バランスの急変が他分野にも伝搬する構造にあることが明白になった。今回のテクノ大喜利では、市場環境の急激な変化による半導体不足に備えるための方策について議論した。

 半導体不足の状況は、いつまで続くのだろうか。服部コンサルティングインターナショナルの服部 毅氏は、「コロナ禍を境にして、デジタル化を推進する機運が高まり、さらにはグリーンリカバリー関連投資によって世界中で電気自動車(EV)シフトが加速した。今後も需要が急増し、半導体各社の増産投資効果が具現化するまで、不足状況は当分続く」としている。Grossbergの大山 聡氏は、今よりも顕著な不足状況になる可能性を示唆した。「デジタル化投資の活発化によって、20年の半導体市場は20%以上の成長が期待できるはずだったが、コロナ禍が原因で、たった6.9%の成長にとどまった。潜在的にはまだ需要が高まる余地がある」。

 一方、足元の極端な不足状況は、短期的実需を反映していないと見る意見もあった。元 某ハイテクメーカーの半導体産業OB氏は、「台湾TSMCは現状でも半導体の供給能力は需要を上回っているとしている。スマホなど一部の応用製品は、明らかに作りすぎ。さらに、半導体工場の火災や豪雪、水不足などの影響で、半導体ユーザーはパニックに陥り、ダブル発注、トリプル発注に走っている。突然の半導体不況が到来する可能性がある」と警告する。