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 世界中で戦略物資としての半導体の重要性が再認識され、日本でも半導体産業の再興が望まれるようになった。ただし、話題になるのは台湾TSMCの研究開発拠点の設置や工場建設、米Micron Technologyによる新DRAM工場建設といった海外企業の日本での取り組みが中心だ。

 そんな中、日本のロジック半導体の代表メーカーであるルネサス エレクトロニクスの直近の業績が、半導体産業の活況などを背景に上向いている。2021年第2四半期(4~6月)の業績では、想定を上回る増収増益を達成。さらに21年上期時点でのデザインインが、オートモーティブ事業では年間目標の約8割、IoT・インフラ事業で約5割と順調だ。同社の社長兼CEOの柴田英利氏は、直近の好調さの要因の1つとして、これまで推進してきたM&Aで得た製品・技術・人材の効果を挙げている。日本の半導体産業の行方を考えるうえで、同社の今後の舵取りは気になるところだ。今回のテクノ大喜利では、半導体業界を取り巻くビジネス環境の変化を念頭に置いて、現時点でのルネサスの取り組みと明日への進路について評価・議論した。