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 コロナ禍の2年間、あらゆる業界・業種のビジネス環境は一変し、市場が企業に求める価値や技術、商品は、以前とは大きく変化した。今回のテクノ大喜利では、2022年に注目したい潮流・技術・企業の動きを、様々な分野の回答者に聞いた。

社会貢献から義務に変わる脱炭素

 分野を超えた多くの回答者が、22年の注目点として、脱炭素に関わる取り組みを挙げた。21年11月の「COP26」では、これまで努力目標だったいわゆる「1.5℃目標」が必達目標に格上げされ、各国の政策にまで踏み込んで議論されるようになった。

 最新の知見に基づく持続可能な社会の実現に取り組んでいるX-Scientiaの古山通久氏は、「再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力需給の調整力を一層高める必要がある。蓄電池の技術の進化と市場の拡大、さらには水素を活用するインフラの早期社会実装に向けた動きに注目している」としている。

 加速するBEV(バッテリー式電気自動車)シフトの中、BEV導入による脱炭素効果が小さい日本を中心市場とする国内自動車メーカーは正念場を迎えている。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹氏は「22年は国内自動車メーカーにとっての最後の審判の年となるかもしれない。トヨタ自動車は、BEVへの大規模投資と大幅に上方修正した販売目標を発表した。ただし、従来の全方位戦略とBEVでのトップ奪取の両立はたやすいことではない。出遅れ気味のホンダや日産自動車が存在感を示せるかも気になる」とした。 

 テック・アンド・ビズの北原洋明氏は、再生可能エネルギーの活用拡大による意外な影響を指摘した。「化石燃料は、地球上の特定地域から産出し、必要とする消費地域へ輸送して利用する。これに対して、再生可能エネルギーは、ローカルな供給体制を作り上げれば、地球規模での輸送網は不要になり、これが国家の内向化を後押ししていく。世界の政治体制や産業構造がますます内向化していく可能性を想定しておく必要がある」。

メタバースの波及効果は巨大

 米Facebookが社名をMeta Platformsに変更して以来、「メタバース」という言葉がメディアや様々な場所で頻繁に語られるようになった。証券アナリストの見地から電子・IT産業の企業動向を追っている東海東京調査センターの石野雅彦氏は、「コロナ禍はネット社会を当初見通しより数年先へと進化させ、テレワーク、ビデオ会議など人々の生活様式を変貌させた。22年は、メタバース需要を軸に、さらなる進化を遂げることだろう」とした。服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏は、「メタバースを軸に、データ処理、ネットワーク、AR/VR、さらに半導体ではメモリー、HPC(高性能演算)チップなど先端産業全体が底上げされる可能性がある。メタバースという潮流が本物か偽物かを論じている暇があったら、失敗を恐れず挑戦してみたほうがよい」としている。

 通信・放送分野での経営戦略立案や事業開発に携わる企(くわだて)のクロサカタツヤ氏は、「満を持して始まるスタンドアロン(SA)方式のフルスペック5Gサービスで、センサーネットワークによるDXが具体化していく動きが注目だ」とした。