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数々の苦難を乗り越え、日産自動車(以下、日産)の開発チームはついに「ノート e-POWER」の最初の試作車を造った。商用化に向け、誰もが完成は近いと期待していた。ところが、いざクルマに試乗すると、その場にいた全員が凍り付く大問題が浮上した。開発チームは課題解消に向け、その日から毎晩のように会議を重ねることになる。(本文は敬称略)

日産自動車の「ノート e-POWER」
日産自動車の「ノート e-POWER」
写真はスポーツ仕様車「NISMO(ニスモ)」モデル(写真:日産自動車)
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 ガタガタガタ……。

 ある日産従業員がノート e-POWERの試作車をテスト運転していると、車体からこんな異音が聞こえてきた。

 ガタガタガタ……。

 「妙だな」

 その従業員はテストコースを1周すると、クルマから降りて、試乗を終えた仲間たちの元に駆け寄っていった。

 「あの音、気になるな」

 「お前もそう思うか。さっきから皆、その話題で持ち切りなんだ」

 「原因は何だろう」

 「今、分析してもらっている」

 異音の正体はすぐに判明した。歯打ち音(ラトル音)だ。開発中のノート e-POWERは、エンジンと発電機が機械的につながっており、その間に複数のギア(歯車)が存在する。エンジンの負荷が変わるとギア同士の接触具合が変化し、強くぶつかる場合がある。その際に生じるのが、あの「ガタガタ」という歯打ち音である。