PR
全857文字

 3年前の2016年のことになりますが、日経エレクトロニクスは日本の大学の理工系研究室とエレクトロニクス分野のスタートアップ企業の研究開発を応援する「NEイノベーションアワード」を立ち上げました(NEというのは日経エレクトロニクスの略称で、1971年の創刊以来、48年間使い続けています)。同アワードの1回目のテーマは「アナログ」でしたが、2回目以降は「パワーエレクトロニクス」(以下、パワエレ)をテーマとして、本年も第4回となる「NEパワー・エレクトロニクス・アワード 2019」を実施しました。

 さて、昨今の半導体業界における日本企業の立ち位置はなんとも寂しいものがありますが、ことパワー半導体はそうではありません。この分野に詳しい調査会社のIHS Markit(2020年以降はInforma Tech)によれば、日本系企業の売上高シェアはIGBTで半数に迫る勢い、MOSFETでも一定の存在感を示してます。

 振り返ってみれば今年もNEと日経 xTECHでは元気なパワエレ記事を掲載することができました。例えば、NE10月号の特集「強いSiに勝てるか」ではSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などワイドバンドギャップ半導体の最新動向を紹介しました。日経 xTECHでは米Tesla(テスラ)の新型EV「Model 3」を分解・解析した記事や、「空飛ぶクルマ」といわれる航空機電動化における高高度パワエレの記事などがよく読まれました。特にこうした次世代のモビリティーでは、「パワエレは縁の下の力持ち」とは言わせないほど注目度が高まっています。それに伴って、技術開発のペースが加速しています。

 そしてこれはうれしい悲鳴でもありますが、NEパワエレ・アワードの審査は年々、悩ましさを増しております。今回焦点となったのは「システム技術 VS 要素技術」です。その両分野で秀でた技術の候補に恵まれた今回の審査会は、議論だけでは決着せず、最終的には投票で雌雄を決することになりました。詳しくは解説をご覧ください。