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 日経エレクトロニクスは、1971年4月1日に創刊しました。つまり、2021年4月にちょうど50周年を迎えます。

 1971年は、米Intelのマイクロプロセッサー「4004」が発売された年でもあるそうです。本誌は、この頃からエレクトロニクス技術の進化を追いかけてきたわけですが、その技術革新にはすさまじいものがあります。4004のトランジスタ数は、2300個だったそうですが、今日では、100億個を超えるトランジスタを持つプロセッサーが手のひらサイズのデバイスに搭載されるようになりました。この間に通信機もデジタル化が進み、機器の中に高速な無線機が標準搭載されるようになりました。半導体技術を応用して液晶や有機ELディスプレーも生まれてきました。こうした技術進化の結果、有線・無線のネットワークが津々浦々まで行き渡り、1人が複数台のコンピューターを所有することが当たり前の時代になりました。この50年で、エレクトロニクス技術の恩恵なしには、仕事も生活もできない状況にまで至ったのです。

 では今後はどうなるのでしょうか。技術は幾何級数的に進化していきますから、4004が生まれた50年前に2021年が想像できなかったように、今から50年後は想像もつきません。そこで、本誌では50周年を記念して、これから1年間、特集を拡充し、1つのテーマを横に縦に掘り下げることとしました。そのテーマにじっくりと向き合うことで、少なくとも5年あるいは10年先の技術や社会の進化を展望していきたいと考えています。目指すのは、50ページの大特集です。途中で記者が息切れしたり、取材が行き詰まったり、天変地異など何らかの原因で継続できなくなる可能性はありますが、記念すべき2021年を、精一杯駆け抜けたいと思います。

 さて、その第1回として今回お届けするのは、蓄電技術です。日本でも本格的に実質CO2排出ゼロの取り組みが動き始めました。これを実現する、太陽光や風力などを使った発電技術とは違う、もう1つの切り札です。トレンドも技術詳細も、ここまで平易に、網羅的に記載した雑誌や書籍はないのではないかというほどの力作になっています。(中道)