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 特集「Road to 6G」で紹介したように、第5世代移動通信システム(5G)の普及が端緒に付いたばかりのこの段階で、既に次世代の移動通信方式「6G」の議論が始まりました。2030年より前倒しして商用サービスが始まりそうです。

 新しい通信方式の未来を占うときに重要となるのが、キラーアプリの存在です。第2世代移動通信システム(2G)ではデジタル化とパケット通信の採用によって、携帯電話機による簡易Webブラウジングや電子メール、写真交換などがキラーアプリとなりました。初期の3Gではビデオ通話などが期待されましたが、キラーアプリとはならず、LTE(4G)はスマートフォンがキラーアプリとなって、一気にブレークしました。5GではAR(Augmented Reality)やVR(Virtual Reality)、IoT(Internet of Things)などに対する期待はあるものの、現時点においては利用拡大の起爆剤となるようなキラーアプリは現れていません。5Gのキラーアプリは結局スマートフォンだったということになる気がしています。

 さて、5Gがまだまだというこの段階で、6Gについて考えるのは、鬼が笑いそうですが、6Gのキラーアプリはどのようなものでしょうか。私が考えるところ、月並みではありますが、IoTだと思います。移動通信事業者のビジネスを考えたとき、スマートフォン向け通信サービスの契約数を増やしていくのには限界があります。1契約当たりのサービス料も大きく伸ばすことはできないでしょうから、別の財布を狙うしかありません。スマートフォン以外のさまざまなモノの値段に、通信サービス料を入れ込むのが現実的です。

 とはいえ、現在は、海や過疎地はもちろんのこと、都市部でも地下などつながらない場所があります。こうした問題がついに解決し、様々な製品に無線モジュールが入っていて、電源を入れたら地球上のどこであってもネットワークにつながる。昔から言われている、そんな世界がようやく実現するのが、6G時代のネットワークではないかと想像しています。