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 物理的にディスプレーがない場所に、絵や映像が浮かび上がる――。今回の特集は、SF映画やアニメなどではよく描かれるものの、現実ではほとんど見かけることのなかった空中ディスプレーの社会実装が始まったというお話です。ただし、コンビニエンスストアのレジや、エレベーターのボタンなど、まだ利用は限定的で、今後は用途を広げる必要があります。

 記事の中では、あまり議論できませんでしたが、空中ディスプレーの用途は、必要不可欠な環境という観点で考えていくと色々と思いつきます。まず、水などの液体がかかってもいいような場所、あるいは丸洗いしたい場所です。こうした場所の例として、身の回りでは、トイレや風呂場があります。トイレにおいては、シャワートイレのボタンはもちろんのこと、広告用ディスプレーという使い方もありそうです。風呂場でも、空中に映像を浮かべながら、ゆっくり湯船につかるというシーンが思い浮かびます。今はやりのサウナで、温度計や時計など各種情報を表示するという用途はどうでしょうか。常に洗浄が必須の手術室、雨や水がかかる船やクルマの外装部、バイクなどでの利用も考えられます。油や液体が飛び散る工場の生産設備も有望でしょう。

 静電気を防止したい場所もニーズがありそうです。具体的には、可燃性のガスを扱っていたり、粉じんが舞い上がったりしがちな工場です。手の位置を検知するセンサーとの組み合わせにはなりますが、手袋をして作業をしなければならない現場や、環境でも重宝しそうです。感圧式タッチパネルで、すでに実現している場所もありますが、意匠やスペースの問題で、物理的にタッチパネルを置けないところが狙い目です。

 今回、空中ディスプレーを記事で取り上げるうえで、悩ましかったのは、映像が空中に浮いていることを写真できれいに撮影できないということです。そのため、なかなか魅力が伝わらないのですが、身の回りに空中ディスプレーが増えていけば、あれもこれもと、アイデアが出てきそうです。