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リニアな時間感覚ではAIに負ける

 今回の翻訳技術特集(「AI翻訳が人間超え、言葉の壁崩壊へ」)の取材では、翻訳業界の人から、10年先になると思っていた技術が今実現した、という声を聞きました。囲碁や将棋のAI(人工知能)でも聞いた言葉ですが、この言語系AIは研究開発のスピードの加速度が特に大きいと感じます。一方で、人間はこうした加速度的な技術向上にあまり慣れておらず、物事はリニアに変化すると無意識に思っている。「AIの脅威はない」とする論者もリニアな感覚を前提に議論しているようにしかみえません。そろそろ、私自身も含めて意識改革を本気で考えないと、AIに置いてけぼりにされそうです。(野澤)

一歩ずつ進化を続けるも理想ははるか先に

 解説(「質実剛健なこだわりの逸品、『Oculus Quest』を徹底分解 」)では、米Oculus VRのHMD「Oculus Quest」を分解しました。着実に製品レベルが向上していて驚かされます。一方でユーザーの理想にはまだ遠いです。メガネのように薄くするには、新たなディスプレーや光学設計が必要になります。普及には購入しやすさも重要です。同製品は、海外公式ストアでは発売後すぐ発送されたのに、大手通販サイトでは予約分の出荷が3週間も遅れるなど流通にまだ課題があります。2016年の従来製品発売時にも似たような発売延期がありました。「次」は何事もないとよいのですが。(東=日経 xTECH)

LPWAが苦手な場所

 LPWAの解説(「『こんなLPWAが欲しい』、得意ワザで応える方式が浮上」)の取材中に、LPWAを使う場所として一見すると見通しがよく有利そうな海上は、意外にも不利だと知りました。海上で通信を妨げる障害物の正体は波。例えば、海面を漂うブイが発する水平方向の電波は、海の波に反射して、陸や海上にある基地局には届きにくくなります。反対に垂直方向は、障害物もなく、波に反射された電波も上方向に進むため、より電波が伝わりやすくなります。LPWAに衛星通信を活用しようとしているフランスSigfoxのアイデアは案外、理にかなっているのかもしれません。(松元)