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量子ネーティブならぬ量子ロートル

 大学院で物性理論専攻だったので一通り量子力学を学んだはずですが、20年のブランクは大きかった……。今回の量子暗号通信、量子インターネット特集では、さびついた頭を動かすのに四苦八苦しました。ひたすら紙にブラケットの計算式を書きまくった大学院時代でしたが、今後の量子ネーティブ世代にそんな経験は不要かもしれません。Innovatorで東大前総長の五神真氏が指摘するように、「量子もつれを当たり前の機能として捉えショートカット」する教育こそ求められているからです。となると記者はもはや、量子ネーティブならぬ量子ロートルでしょうか。(堀越=日経クロステック)

量子人材に魅力的な環境づくりを

 「どの分野にもまんべんなく優秀な研究者がいるが、他国より圧倒的に数が少ない」。量子特集の取材中、何度も耳にした言葉です。分野が多岐に渡り、そのいずれもが産業に革命を起こす程のインパクトを秘める量子技術。量子暗号通信はすでに東芝が事業化し、実用的な量子コンピューターの登場は2020年代と予測されています。学生や企業にいかに量子を身近に感じさせ、研究開発しやすい環境をつくりだすか。今後確実に世界を塗り替えるであろうこの分野で、これから数年間での量子人材の育成戦略が日本の命運を左右しそうです。(久保田=日経クロステック)

エヴァにも出てきた量子テレポーテーション

 特集記事の執筆期間中、息抜きに話題の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を鑑賞しました。すると台詞の中に「量子テレポート」という言葉が。登場人物の碇ゲンドウが乗ったエヴァンゲリオン第13号機の移動に、一瞬ですが量子テレポーテーションが使われていました。いずれ、量子通信をモチーフとした本格アニメが登場するのではないでしょうか。ネットの黎明期には、現実とネットの2重性を題材にしたアニメ作品『serial experiments lain』が生まれました。量子の不可思議な性質は、アニメの世界で一歩先に身近になるかもしれません。(土屋)