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目次
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光でゲームを変える、海外依存から脱却へ
澤田 純氏(NTT代表取締役社長)
壁に直面する世界の情報通信基盤を、光技術によって塗り替えようというNTTの「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」構想。2030年をターゲットにした壮大な計画の実現に向けて陣頭指揮を執るのが、同構想の生みの親であるNTT代表取締役社長の澤田純氏…
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家電事業を10年で10倍に、“逆張り”の戦略で急成長
大山 晃弘氏(アイリスオーヤマ代表取締役社長)
ホーム用品を原点とするアイリスオーヤマの家電事業が急成長している。2020年の同事業の売上高は1200億円を超え、2009年の参入からわずか10年間で事業規模を10倍以上に拡大した。家電の多機能化が進む中で、あえて機能を絞ったシンプルさを武器にしている。成功の要因は何か、今後どのように事業を発展さ…
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日の丸半導体復興へ、アナログ/パワーで挑む
松本 功氏(ローム 代表取締役社長 社長執行役員 CEO)
かつての隆盛は見る影もない「日の丸半導体」。依然として、衰退傾向にある。そうした中でロームは、半導体事業に集中投資し、売上高の急速な拡大を図っている。注力する製品はメモリーでもプロセッサーでもない。自動車や産業機器などに向けたアナログICやパワー半導体などだ。日の丸半導体の復興を賭け、欧米のライバ…
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「幸福度の可視化」は社会と製品を変える
矢野 和男氏(ハピネスプラネット CEO〔最高経営責任者〕)
日立製作所は2020年7月20日、「幸福度」の可視化技術を利用した新たな事業を創出するための新会社を設立した。名称はハピネスプラネット(東京・国分寺市)。CEOは、加速度センサーで幸福度を測定する技術開発に約17年間も携わってきた矢野和男氏が務める。
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顧客のシリアスを引き受ける、ソフトウエア力をもっと強化
柴田 英利氏(ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長 兼 CEO)
先の見えないリストラを続けてきたルネサス エレクトロニクスが業績面で復活してきた。周回遅れと言われた米国半導体企業の買収が奏功した格好だ。グローバル企業となった同社は、何を目指し、どこに向かうのか。2013年からリストラや買収に辣腕を振るい、2019年7月に代表取締役 兼 CEOに就任した柴田英利…
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「ワンマイル経済圏」復活へ、家電+データで暮らしを創出
宮部 義幸氏(パナソニック 専務執行役員 CTO、CMO)
新型コロナウイルスの影響で、日常の生活環境が大きく変化している。こうしたなか、「くらしアップデート」を掲げるパナソニックは何を目指し、どう変わっていくのか。そして我々の生活に浸透しているGAFAにどう対抗していくのか。同社の専務執行役員でCTOおよびCMOを務める宮部義幸氏に話を聞いた。
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次の10年はエッジが主戦場「大型買収はもうしない」
Kurt Sievers氏(オランダNXP Semiconductors社長兼CEO)
2020年5月にオランダNXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)の新しい社長兼CEOとしてKurt Sievers(カート・シーバース)氏が就任した。NXPは2015年に米Freescale Semiconductor(フリースケール・セミコンダクタ)、2019年に米Mar…
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GaNをクルマに実装、船舶や飛行機も狙う
天野 浩氏(名古屋大学 未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積研究センター長)
真っ青な車体に、次世代半導体材料の窒化ガリウム(GaN)の技術を詰め込んだ「All GaN Vehicle」。2019年10月の「東京モーターショー」にそのクルマは現れた。世界初のGaNインバーター搭載の走行車だ。
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現場の権限をさらに強化、モノ売り依存脱却も狙う
中島 規巨氏(村田製作所 代表取締役 専務執行役員 モジュール事業本部 本部長)
2020年6月末に創業家以外では初めて村田製作所の代表取締役社長に就くことが内定した中島氏に、今後の経営方針や変化の方向性、そして現行事業の見通しを聞いた。
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工学部は“課題解決学部”企業、スタートアップと進む
染谷 隆夫氏(東京大学 大学院工学系研究科長・工学部長 工学系研究科電気系工学専攻 教授)
東京大学教授の染谷隆夫氏は、世界的に高名な有機エレクトロニクスの研究者だ。2020年4月に、東京大学工学部および大学院工学研究科の長となった。同氏に同大学工学部の未来展望を聞いた。
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トヨタとデンソーの知見を結集、対GAFAで半導体共同戦線
加藤 良文氏(ミライズテクノロジーズ 代表取締役社長 デンソー 経営役員)
トヨタ自動車とデンソーが、車載半導体を開発する新会社「ミライズテクノロジーズ」を2020年4月1日に共同で設立した。社長には、デンソーで長らく技術開発に携わってきた加藤良文氏が就任する。新会社設立の狙いは何か、具体的にどんな取り組みを進めるのか、加藤氏に話を聞いた。(聞き手は中道 理、東 将大)
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“マエケン”も活用、サイバーダインのHALがスポーツ領域にもたらす可能性
山海 嘉之氏(CYBERDYNE 代表取締役社長(CEO)、筑波大学システム情報系 教授、サイバニクス研究センター 研究統括)
装着型サイボーグ「HAL」を開発するCYBERDYNE(サイバーダイン)が「スポーツテック」に参入した。ユーザーには米メジャーリーグで活躍する前田健太選手など世界のトップアスリートも含まれる。同選手はHAL を利用した自主トレーニングをスポーツ施設「IWA ACADEMY」で公開。同社はどのような…
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Society 5.0実現に向け技術者が今やるべきことは「顧客と一緒に価値創造」
中西 宏明 氏(日本経済団体連合会会長、日立製作所取締役会長 執行役)
日本が目指す未来社会像「Society 5.0」。サイバー空間と現実空間を高度に融合させたシステムによって経済発展と社会課題の解決を両立する人間中心の社会とされるが、実現の鍵を握るのがシステム全体の構造の見取り図である「アーキテクチャー」だ。
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地球環境問題への貢献に使命、日本発のポストGAFAに期待
吉野 彰氏(旭化成 名誉フェロー)
Liイオン2次電池の開発で2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏。ただ、自身はその栄光にただ浸ろうとはせず、「未来に向けてミッションを与えられた」と語る。吉野氏が描く、第4次産業革命のビジョンとは何か。そしてそこに日本はどのように関わっていけるのか。吉野氏にその方向性を聞いた
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大学下克上を宣言、「2030年までに京大を抜く」
永守重信氏(日本電産 代表取締役会長 永守学園 京都先端科学大学 理事長)
日本電産を一代でプレハブ小屋の工場からグローバル企業に育て上げ、カリスマ経営者とも言われる同社 代表取締役会長の永守重信氏。同氏が持つ、もう一つの肩書が「永守学園 京都先端科学大学 理事長」。2018年3月に京都学園大学を運営する京都学園(現・永守学園)の理事長に就任し、それと入れ替わる形で同年6…
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エンタメとエレキを融合、R&Dでもソニーの強みに
勝本 徹氏(ソニー 執行役 常務 R&Dセンター長)
ソニーが研究開発で新体制を構築した。同社はこの数年間にわたる財務基盤強化の取り組みにより、2期連続の最高益を見込むなど、好調な業績が続いている。足場は固まった。では、ソニーは5年後、10年後に向かって成長する企業になれるのか。その鍵を握るのは研究開発だ。同社の「R&Dセンター」のトップである勝本徹…
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IDT買収で、もう負ける理由は何もない
ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長兼CEO 呉 文精氏
数年前まで不振にあえいでいたルネサス エレクトロニクスが攻めの姿勢を強めている。2017年にアナログ半導体の米Intersilを買収したのに続き、同じくアナログ半導体の米IDT(Integrated Device Technology)の買収を決めた。
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挑戦者として新領域へ、理系と文系のクロスは最高
パナソニック 代表取締役社長 社長執行役員 CEO 津賀 一宏氏
1918年の創業から100周年を迎えたパナソニック。「住空間」「モビリティー」「B2B」の3分野を新たな成長への挑戦領域に定め、事業構造改革の真っ最中だ。社内外の強みを持ち寄り、「クロスバリュー」でイノベーションを起こそうとしている。2018年6月で社長就任から7年目を迎える、経営トップの津賀一宏…
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創業者の思考を組織で再現、IoTの本質は「エッジ以下」に
オムロン 代表取締役 執行役員専務 CTO 兼 技術・知財本部長 兼 イノベーション推進本部長 宮田喜一郎氏
オムロンは2018年4月、同社が掲げる「技術経営」を推進するための新会社を始動した。AI(人工知能)研究者との連携を意識し、東京大学の本郷キャンパス近くに事務所を置く。
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“協調設計“にとらわれず、ユーザー最適の製品を作る
IEEE Computer Society President 2018 早稲田大学 情報理工学科 教授 笠原博徳氏、米インテル フェロー 米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 名誉教授 David Kuck氏
シングルコア用の逐次プログラムを解析して自動的にマルチコア用の並列プログラムに書き換える自動並列化コンパイラー。あらゆる分野で必須の技術になるかもしれない。