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目次
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“使い捨て”からの脱却、デブリ除去で未来を守る
岡田 光信氏(アストロスケールホールディングス 創業者兼CEO)
深刻化するスペースデブリ問題。国際的なガイドラインはありつつも、明確なルール整備は進んでこなかった。そんな中で、世界に先駆けてデブリ対策サービスを開発し、リーダーシップを執ってルールメーキングに取り組んでいるのが、アストロスケールホールディングス創業者兼CEOの岡田光信氏である。デブリ対策には何が…
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テスラ車のように進化する住宅、ソフト・ハード融合で実現する
本間 毅氏(HOMMA Founder 兼 CEO)
さまざまなセンサーや機器を搭載し、ソフトウエアアップデートで更新し続ける。まるで米Tesla(テスラ)の電気自動車(EV)のような住宅づくりに挑んでいるのが、シリコンバレーのスタートアップ企業HOMMAだ。ソニーで新規事業などを手掛け、楽天の幹部だった本間毅氏が2016年に創業した。これまで約34…
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TSMC誘致は応急措置、非ノイマンで再勝負
黒田 忠広氏(東京大学 工学系研究科 電気系工学専攻 教授)
日本の半導体産業の凋落は著しい。人材も海外に流出し、かつて栄華を誇った半導体微細加工技術でも、海外企業に遠く及ばない。日本の半導体産業の再興に研究開発の立場から取り組む東京大学 大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 教授の黒田忠広氏に日本の勝ち筋を聞いた。(聞き手=中道 理、小島郁太郎、久保田龍之…
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標準不要でつながる時代、技術変化に備え議論必要
尾上 誠蔵氏 〔NTT CSSO(Chief Standardization Strategy Officer)〕
LTEのコンセプトをいち早く示したことで世界的に知られるNTT CSSO (Chief Standardization Strategy Officer)の尾上誠蔵氏。日本政府は、そんな尾上氏を国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)の…
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一人で5~10台のアバター、多数の人格を切り替えて働く
石黒 浩氏〔大阪大学 大学院基礎工学研究科 教授 JST MOONSHOT目標1プロジェクトマネージャー 2025年大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー AVITA(アビータ) 代表取締役CEO〕
人間そっくりのアンドロイドからぬいぐるみのような癒し系ロボットまでさまざまなアバターを研究してきた石黒氏は今、2050年を見据えた「ムーンショット型」の研究プロジェクトマネージャー、そしてアバターの社会実装を目指すベンチャー企業「AVITA」代表という新たなわらじを履いた。
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化合物光半導体は日本の宝、力を結集し、未来に残せ
高橋 恒雄(京都セミコンダクター 代表取締役 兼 CEO)
インテル通信事業本部長、フリースケール・セミコンダクタの日本法人社長、ルネサス エレクトロニクスのCSMO(Chief Sales Marketing Officer)、ファンドのアドバイザー・・・・・・。半導体業界で華麗な経歴を持つ高橋恒雄氏が、現在CEO(最高経営責任者)を務めるのが、京都セミ…
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米国まねてもしょうがない、日本の強みを宇宙で生かす
若田 光一氏〔宇宙航空研究開発機構(JAXA) 特別参与・宇宙飛行士〕
民間宇宙旅行の相次ぐ成功、加速度的に増えている地球低軌道の人工衛星、そして2022年にも始まる本格的な月探査・開発・・・・・・。高成長産業と目される宇宙ビジネスの扉が、いよいよ本格的に開きつつある。この状況を、過去に2度の国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在を経験し、22年にも再びISSに長期…
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先を行く米国衛星ベンチャー、勝敗の行方は5年以内に見える
中須賀 真一氏(東京大学 大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授)
人工衛星を開発・製造するベンチャー企業が、米国を中心にビジネスを活発化させている。日本でも観測衛星など複数の有力ベンチャーが世界に挑む。2003年に重さ1kgの超小型衛星「CubeSat」の打ち上げに世界で初めて成功し、以来、12機を打ち上げてきた小型衛星分野の第一人者は、衛星ビジネスの現状と今後…
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宇宙新事業に生き残り賭ける、NTTと宇宙インフラ構築へ
米倉 英一氏(スカパーJSATホールディングス代表取締役社長)
スカパーJSATホールディングスは2021年5月、日本電信電話(NTT)と新たな宇宙事業を創出することを目指して業務提携契約を締結した。「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」で、イノベーションを起こすという壮大な計画だ。これまで30年以上にわたって30機以上の通信衛星を打ち上げて衛星通信や衛…
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好調支えるソニーGの研究開発、「脱・商品起点の発想」で成長
勝本 徹氏(ソニーグループ 執行役 副社長 兼 CTO)
長期の業績低迷期を脱し、過去最高益を更新するなど業績好調のソニーグループ(ソニーG)。同社は2021年度の研究開発(R&D)費を6100億円と前年比2割増額し、攻勢を強めている。
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ガンダムや鉄拳を“地続き”に、メタバースでファンをつなぐ
宮河 恭夫氏(バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長)
テクノロジーの活用が急速に進みつつあるエンタメ業界。新型コロナウイルス感染症の影響で大きな変化を余儀なくされた一方で、テクノロジーを活用してデジタルとフィジカルの融合を加速させ、新たなコンテンツの価値創出に取り組んでいる。
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科学は“直感的勘違い”正す、IoTはケガ予防に大きな期待
為末 大氏(Deportare Partners代表/元陸上選手)
2001年に開催された世界陸上競技選手権大会の400mハードルで、トラック競技として日本人初のメダルを獲得した為末大氏。現在は会社経営や執筆活動の他に、スマートシューズの開発に関わるなどスポーツテックにも詳しい。
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データ活用で社会変容、大学を信頼の拠点に
五神 真氏(東京大学 前総長)
2015年から6年間、東京大学総長として「大学が社会変革を駆動する」ことを標榜し、産学連携など大胆な大学改革を次々と打ち出した五神真氏。新型コロナウイルス感染症の流行や脱炭素(カーボンニュートラル)など社会環境が激変する中、大学はどのような役割を果たすべきなのか。
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エンジニアよ、白紙に絵を描け
津賀 一宏氏(パナソニック株式会社代表取締役社長)
2021年6月、9年間パナソニックを代表取締役社長として率いてきた津賀一宏氏が社長を退任し、取締役会長に就く。社長就任からの9年間、電機・エレクトロニクス業界をどのように観察し、率いてきたのかを聞いた。
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ルンバは家を理解する存在、家庭用ロボアームは数年内
Colin Angle氏(iRobot CEO)
家庭用ロボット掃除機といえば「ルンバ」だろう。このルンバを開発・販売し、家庭向けロボットという新しい分野を切り開いたのが米iRobotだ。ルンバ、そして家庭用ロボットは今後どのように進化していくのか。同社創業者でCEOのColin Angle(コリン・アングル)氏に聞いた。(聞き手=東 将大、内田…
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光でゲームを変える、海外依存から脱却へ
澤田 純氏(NTT代表取締役社長)
壁に直面する世界の情報通信基盤を、光技術によって塗り替えようというNTTの「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」構想。2030年をターゲットにした壮大な計画の実現に向けて陣頭指揮を執るのが、同構想の生みの親であるNTT代表取締役社長の澤田純氏…
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家電事業を10年で10倍に、“逆張り”の戦略で急成長
大山 晃弘氏(アイリスオーヤマ代表取締役社長)
ホーム用品を原点とするアイリスオーヤマの家電事業が急成長している。2020年の同事業の売上高は1200億円を超え、2009年の参入からわずか10年間で事業規模を10倍以上に拡大した。家電の多機能化が進む中で、あえて機能を絞ったシンプルさを武器にしている。成功の要因は何か、今後どのように事業を発展さ…
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日の丸半導体復興へ、アナログ/パワーで挑む
松本 功氏(ローム 代表取締役社長 社長執行役員 CEO)
かつての隆盛は見る影もない「日の丸半導体」。依然として、衰退傾向にある。そうした中でロームは、半導体事業に集中投資し、売上高の急速な拡大を図っている。注力する製品はメモリーでもプロセッサーでもない。自動車や産業機器などに向けたアナログICやパワー半導体などだ。日の丸半導体の復興を賭け、欧米のライバ…
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「幸福度の可視化」は社会と製品を変える
矢野 和男氏(ハピネスプラネット CEO〔最高経営責任者〕)
日立製作所は2020年7月20日、「幸福度」の可視化技術を利用した新たな事業を創出するための新会社を設立した。名称はハピネスプラネット(東京・国分寺市)。CEOは、加速度センサーで幸福度を測定する技術開発に約17年間も携わってきた矢野和男氏が務める。
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顧客のシリアスを引き受ける、ソフトウエア力をもっと強化
柴田 英利氏(ルネサス エレクトロニクス 代表取締役社長 兼 CEO)
先の見えないリストラを続けてきたルネサス エレクトロニクスが業績面で復活してきた。周回遅れと言われた米国半導体企業の買収が奏功した格好だ。グローバル企業となった同社は、何を目指し、どこに向かうのか。2013年からリストラや買収に辣腕を振るい、2019年7月に代表取締役 兼 CEOに就任した柴田英利…