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家庭用ロボット掃除機といえば「ルンバ」だろう。このルンバを開発・販売し、家庭向けロボットという新しい分野を切り開いたのが米iRobotだ。ルンバ、そして家庭用ロボットは今後どのように進化していくのか。同社創業者でCEOのColin Angle(コリン・アングル)氏に聞いた。(聞き手=東 将大、内田 泰、中道 理)

(写真:iRobot)
(写真:iRobot)
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BtoCのロボット市場は、利用環境が明確なBtoB向けより大変です。どうやって市場に参入したのでしょうか。

 確かにBtoCのロボット市場を切り開くのは困難でした。相手が一般消費者であること。さらに、ロボット掃除機という新たな世界を生み出していく必要があったからです。ただ、我々にはこの市場を切り開くというコミットメントがありました。

 この市場に参入するにあたり、まず、私たちはテクニカルチームを組んで、家庭向け掃除用ロボットには、どういう問題が起こるかということをしっかりと理解するようにしました。それから技術を活用してこうした問題が解決できるか試してきました。そして、製品化したわけですが、その後も顧客から利用について多くのフィードバックをもらい、顧客が苦痛に感じているペインポイントに対応するように心掛けてきました。もちろんエンジニアが重要だと考えるところにも焦点を当ててきましたが、そこで気づいたのは、我々が非常に重要だと思っていることと、顧客がそう思っていることの間にはギャップがあることです。初期の頃、私たちはとにかく自動でなんでもやるロボットを作ろうと取り組みました。しかし、顧客が望んでいたのは、実は掃除中に立ち往生しない、あるいは簡単に掃除ができる、そういうロボットだったのです。

 比較的最近の話をすると、私もエンジニアも、(ユーザーの介入が少ない)より自律的なロボットに焦点を当てようと考えていたのですが、顧客の要求はもっとコントロールの効いたロボットでした。つまり、どこで、いつ、どのようにロボットが掃除をするのかを、しっかり顧客側でコントロールができるロボットだったわけです。そこで、顧客が掃除をして欲しい場所、して欲しくない場所、して欲しい時間をコントロールできる機能を提供しました。これを我々は「iRobot Genius」と呼んでいます。

 この19年、特に日本の顧客のフィードバックに応えることは最も重要でした。日本の顧客を満足させられれば、実は世界の顧客を満足させられることに気がついたのです。