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人工衛星を開発・製造するベンチャー企業が、米国を中心にビジネスを活発化させている。日本でも観測衛星など複数の有力ベンチャーが世界に挑む。2003年に重さ1kgの超小型衛星「CubeSat」の打ち上げに世界で初めて成功し、以来、12機を打ち上げてきた小型衛星分野の第一人者は、衛星ビジネスの現状と今後の行方、そして日本の競争力をどう見ているのか。東京大学の中須賀教授に聞いた。(聞き手:内田 泰、東 将大)

(写真:加藤 康)
(写真:加藤 康)
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最近、衛星開発を手がけるベンチャー企業の動きが活発化しています。衛星開発の主役が政府系の宇宙機関だった時代と比べると様変わりですが、この変化をどのように捉えていますか。

 大きな流れでいうと、2000年ごろが転機だったと思います。重さ1kgの「CubeSat」という概念が登場し、我々と東京工業大学のチームが2003年に世界初の打ち上げに成功しました。当時、世界ではCubeSatが5基打ち上げられて、きちんと動作したのは日本の2基だけでした。「小さな衛星は日本が強い」という印象を世界に与えることができました。