2019年12月に日本市場に参入した世界第4位のスマートフォン(スマホ)メーカー、中国Xiaomi(小米、シャオミ)。Huawei(ファーウェイ)など他の大手中国スマホメーカーと比べ異色の存在で、中国内ではIoT家電の大手としても知られる。日本事業の責任者で東アジア地域の事業を担当するSteven Wang氏に聞いた。(聞き手:内田 泰、松元則雄)
今回、日本進出を決めた理由は2つあります。第1が日本のスマホ市場の変化です。総務省が定めた携帯電話料金の新ルール(継続利用を条件とした端末購入補助は一切禁止。継続利用を条件としない場合も端末購入補助は最大2万円、2年契約を中途解約する際の違約金は1000円以下にするなど)を定めたことが背景にあります。当社製品のコストパフォーマンスを強みにできる事業環境が整ったと考えました。
第2が「5G(第5世代移動通信システム)」です。2020年春には日本市場でも本格的に5Gサービスが始まります。新製品を日本市場に投入するには良い機会だと考えました。20年には世界で5Gに対応した10の新製品を発表する予定です。
「Honest Price」で勝負
当社内には「ダブルハンズ(両手)」と言う言葉があります。スマホとIoTの両方の事業領域で戦うという意味です。我々はこれまでスマホやパソコン以外に、2億台以上のIoT製品を販売してきました。種類は2000以上におよびます。IoT分野でここまでの成功を収めた要因は4つあると考えています。「イノベーション」「デザイン」「品質」「価格」です。
特に価格については「Honest Price」にこだわっています。単に「価格が安い」という意味ではありません。その製品が持っている価値に見合った“正直な"価格を付けるというのが我々の基本的な考えです。
Honest Priceを保証するために、当社内では「ハードウエアの利益率は5%を超えない」という規定があります。CEOの雷軍が(2018年の取締役会で)決めました。我々はハードウエアでは必要最低限の利益しか出さない。こうやって市場で常にHonest Priceを保証できるようにしています。
我々自身はあくまでもインターネットの会社と位置づけています。当社は米国の経済誌Fortuneが発表する世界的企業の2019年の総収益ランキング「Fortune Global 500」にランクインしました。そこではインターネットサービスの企業と定義されています(正確には、Internet Services and Retailing)。