日本で急増する見通しの洋上風力発電事業を開拓した企業の1社がレノバだ。その会長は通信業界の改革者だった。再生可能エネルギー事業への転身の狙いと将来展望を聞いた。(聞き手は野澤哲生)
日本電信電話公社、1984年の第二電電(DDI)創業、イー・アクセス、イー・モバイルと通信には50年携わりました。ただ、私の大学時代の専攻はエネルギーだったのです。それもあって日本や世界のエネルギーがどうあるべきかについてはずっと問題意識を持ってきました。
そこに2011年3月の東日本大震災が起こり、日本のエネルギー政策の課題が明らかになりました。しかも異常気象によって災害が毎年のように起こるようになり、地球が泣き叫んでいるのを目の当たりにして「これは二酸化炭素(CO2)を減らさないといけない」と痛感しました。
2013年にイー・モバイルを売却後、共通の知人を介してレノバ(代表取締役社長の)木南(陽介氏)と会う機会がありました。当時レノバはまだスタートアップでリサイクル事業が中心でしたが、ちょうど再生可能エネルギー事業に重心を移そうとしていました。それで私も「これからは通信からエネルギーの時代だ」と考えるようになったのです。