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目的地の指定だけで自動飛行

 欧米だけでなく、「ドローン大国」の中国でも、電動航空機の開発が盛んだ。中でも、実用化に向けて急ピッチで開発を進める中国の新興企業が中国のEHang(イーハン)である(図6)。

図6 自動操縦で目的地までひとっ飛び
図6 自動操縦で目的地までひとっ飛び
EHangは1人乗りのVTOL機「EHANG184」を開発し、実際に飛行する様を収めた動画を、2018年3月の「SXSW 2018」の講演で披露した(a、b)。小型ドローンで培った自動操縦技術を適用し、座席にあるタブレット端末で出発地と到着地を指定するだけで、搭乗者が操作せずに移動できるようにする(c、d)。モーターだけで飛行するもので、巡航時間は25分と限られるので、20km程度を移動する「チョイ乗り」に適するとみる(e)。(写真:EHang)
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 同社の電動VTOL機の特徴は手軽に乗れること。小型ドローンで培った自動操縦技術を適用し、座席にあるタブレット端末で出発地と到着地を指定するだけで、搭乗者が操作せずに移動できるようにする。操作は原則自動操縦で、地上施設で集中管理することを想定する。広東省Shaoguan(韶関)市と協力し、同市に空飛ぶクルマ向けの集中監視指揮統制センターを建設する予定だ。通信には、中国Huawei(ファーウェイ)の協力を得る。

 EHangの1人乗りの電動VTOL機「EHANG184」では、搭載できる2次電池の容量は限られる。そのため、20kmほどの距離を移動する用途、例えば都市内交通や離島への移動などを想定する。

 そんな同社は、2018年3月に開催された音楽や映画、テクノロジーの総合イベント「SXSW 2018」で講演し、EHANG184が飛行する様子を動画で紹介。さらに現在開発中の2人乗りタイプについて、「2018年夏に価格を発表する」(EHangの共同創立者でCMOのDerrick Xiong氏)と明らかにした注5)

注5)講演では、EHANG184が平原や畑などを飛ぶ様子のほか、建物の多い都市部を飛ぶ様子、中に人が乗って飛んでいる様子などを紹介。特に、Xiong氏本人や同社CEO、さらには広州市市長など、さまざまな人物が実際に搭乗して飛行したことを紹介し、「誰でも乗ることができる」(Xiong氏)とアピールした。この他、高度300mまでの上昇飛行、霧の中、台風の中といった悪天候での飛行などさまざまな条件で試験を行っているという。