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 電子機器の内部で発生した熱は消えることがないため、全て運んで外部に放出しなければならない。この熱の運搬と放出を効率化することが熱設計である。一般的な電子機器では、筐体内の基板上にある部品が発熱する。このような電子機器の熱移動は図1のように表せる。これを熱抵抗回路として描いたのが図2である。

図1 電子機器の放熱経路
図1 電子機器の放熱経路
機器内部で発生した熱は、伝導、対流、放射、換気(物体の移動による熱輸送)により、さまざまな経路を経て最終的にはすべて外気に放出される。
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図2 電子機器の放熱経路の等価抵抗回路
図2 電子機器の放熱経路の等価抵抗回路
電子機器の放熱は大別すると2種類ある。通風可能な筺体を用いた自然空冷機器の場合は、換気ベルトコンベアーで熱を運ぶのが効果的である。一方、密閉ファンレス機器では、部品の熱を熱伝導リレーによって固体間で渡して放熱するのがよい。
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 熱移動の経路は数多くあるが、熱抵抗が直列に配置された経路では、どこか1カ所でも抵抗の大きい部分があれば、この経路の熱移動の機能は低下する。図2の中には抵抗を下げるための対策の要点も示した。

 熱対策は「伝熱面積」「熱伝達率」「部品周辺温度」の3つの切り口で考えるとよい。第1に、断面積や表面積など伝熱面積の拡大である。熱対策の王道ともいえる施策だ。第2は、熱伝達率の向上。これには放射と対流がある。第3は、換気ベルトコンベアーすなわち物質移動により部品周辺温度を下げる。通風型の機器の場合、この施策も使える。

問題H 通風口のある自然空冷機器

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自然空冷機器の通風口と発熱体の関係を考える。下記の正誤を判断して○か×で答えよ。

1:上下面に通風口がある場合、発熱体をできるだけ下に置いた方が発熱体温度と空気温度は低く抑えられる(発熱体の発熱量は同じとする)

2:筐体全体の通風口の面積A(A=Ain+Aout)が一定である時、吸気側の面積Ainより排気側の面積Aoutが大きい方が内部空気の最高温度上昇値を下げられる