固体電解質を用いたLiイオン2次電池、すなわち全固体電池の実用化がいよいよ始まる。ただし電気自動車(EV)向けではなく、基板に表面実装される部品としてのスタートだ。多くが数mm角と小さいが、そのインパクトは小さくなく、一部のコンデンサーを代替するなど今後の回路設計、およびIoT端末の機能を大きく変えていく可能性がある。
2019年は、基板上の部品としての全固体電池元年になりそうだ。既に月産3万個の規模でサンプル出荷しているTDKに続き、国内の積層セラミックコンデンサー(MLCC)やチップインダクターのメーカーが相次いで、基板実装向けのセラミックスに基づく全固体電池を開発。セラミックス技術を強みとする日本ガイシ(NGK)も「半固体電池」(同社)で民生品向けに新規参入してきた(表1)。以降、本稿ではこれらを「セラミックス系電池」と総称する。