
(イラスト:笹沼 真人)
水平分業化の波が到来
第1部:産業構造の転換
ロボット産業が大きく変わろうとしている。一握りの企業がバリューチェーン全体を支配する垂直統合型から、多様な企業が自由に参入する水平分業型への転換だ。ロボット開発のハードルを下げる技術が登場したことで、難度が高かったロボットアームでも新規参入が相次いでいる。
第2部:新規参入の勝算
ロボットアームに新規参入するメーカーは、動作プログラムを作成するための「教示(ティーチング)」を不要にすることで、既存のロボットメーカーとの差異化を図ろうとしている。オークマは商用システムを採用、リコーはオープンソースソフトウエア(OSS)を活用する。
第3部:新規参入を支援
ロボットを作りたい企業にとって、最大の難関は“頭脳”となるコントローラーだ。その頭脳を提供するメーカーが現れたことで、新規参入の障壁が一気に下がった。コントローラー専業メーカーは、「教示レス化」を足掛かりに攻勢をかけつつある。既存のロボットメーカーもその存在を受け入れ始めた。
第4部:先行する対話ロボ
水平分業化の波は、垂直多関節ロボット(ロボットアーム)をはじめとする産業用ロボットだけではなく、一般消費者の目に触れる対話型ロボットにも押し寄せている。先鞭をつけたのは、EMS(電子機器製造受託サービス)事業の一環として対話型ロボットを手掛けるVAIO である。