GAN(敵対的生成ネットワーク)が誕生してから4年余りたつが、その派生技術は既に数百以上も開発された。短期間にこれだけ増えたのは、GANの構成がシンプルで、しかもその構成要素の組み合わせで新しいGANを作り出せることが理由の1つになっている。当初に山積していた課題も次々に解決、改善しており、「脚本からドラマ生成」も現実味を帯びつつある。
今でこそ実写の高精細写真と見まがう水準の画像や、テキストからの画像生成が可能になっているGANだが、2014年に最初に発表されたものは、いびつな数字を生成するのがやっとだった。そこから急激に性能向上と適用範囲の拡大が進み、「○○GAN」と名前が付けられた派生技術は数百種類を超える。
これはGANへの期待の高さを背景に、課題を1つ解決すると実現したいことが増え、その結果、次の課題が出てくるという連鎖の結果だ。最初の基本構成が極めて明快で応用しやすかったことも理由の1つといえる(図1)。言い換えれば、いくつかの基本構成を把握するだけで、GANの今後の応用もある程度見通せるといえる。