これからの高密度実装技術は、2020年から2023年にかけて続々と登場するとみられる5G(第5世代移動通信システム)スマホが牽引する。さらなる小型化が迫られる積層セラミックコンデンサー(MLCC)は2020年に「0201部品」の採用が始まるだろう。メイン基板の「2階建て」が一般化し、半導体実装やプリント基板では「3次元化」が進みそうだ。
2020年から2030年にかけても、引き続きスマートフォン(スマホ)が高密度実装を牽引する。特に2020年から2023年に向けては5G対応機器が続々と登場するとみられ、こうした方向性が強まる。従来のLTE(4G)などに向けたアンテナに加えて5G向けのアンテナモジュールを3~4個設置する必要があり、電池も大容量化が要求されている。その裏返しとしてメイン基板など実装周りはさらに小型化する必要が生じるからだ。
代表的なのがICと組み合わせる「パスコン」(バイパスコンデンサー)などとして多く使われる積層セラミックコンデンサー(MLCC)。2020年は「0201部品」(外形寸法が0.25×0.125×0.125mm)の採用が始まりそうだ。村田製作所はパスコンの“定番容量"である0.1µFの0201部品を開発し、2020年に量産を開始すると発表した注1)。
スマホでは、10年前に米Apple(アップル)のiPhone採用をきっかけに0402部品が増加し、普及してきた。全体的にも、2030年に向けて外形寸法が0.6mm×0.3mm×0.3mmの「0603部品」や0.4mm×0.2mm×0.2mmの「0402部品」がさらに増える(図1)。
こなれてきた0402部品に対し、0201部品は部品実装面積が約1/3と小さく、耐衝撃性が低下し部品実装時の吸着や装着も困難になる。例えば、はんだを溶融するリフロー炉内の風で飛ぶと言われる。プリント基板にはんだを印刷するためのマスクの薄型化やはんだ粒子の微細化など、実装機や材料などの変更が必要になる。