
特集
いきなり風力発電大国
目次
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約30GW分の風力発電計画、3千億円の“椅子取りゲーム”に
低空飛行だった日本の風力発電がついに躍進し、桁違いの事業計画ラッシュが起こっている。約5年で積みあがった事業計画は「陸上」と「海(洋)上」合わせて約30GW。1990年からの累積導入量約4GWの7倍超に上る。風況の良い場所、例えば東北地方の日本海側沿岸などは巨大計画同士の激しい争奪戦になっている。
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噴火寸前“風力発電マグマ” 超大手が強力に押し上げ
第1部:国内動向
30年以上動きがほとんどなかった日本の風力発電に、巨大な地殻変動が起こっている。稼働こそしていないが、開発中の案件が約30GWも積み上がっているのだ。仮にすべてが稼働すれば日本は一躍世界の風力発電大国になる。既に風力発電バブルとも言えるほどの盛り上がりだが課題も多い。現実的には事業者の計画の1/5…
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NTTの再エネ事業、影の主役は蓄電池と直流給電
NTTは2020年6月末、再生可能エネルギー事業に本格参入することを明らかにした(図A-1)。特徴は大きく3つ。(1)2030年時点での再エネ7.5GWの確保、(2)2025年度までの蓄電池の大規模導入と仮想発電所(VPP)化、(3)顧客への直流給電、である。このために少なくとも2025年度までは…
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主役は陸上から洋上へ、風車版“ムーア則”も再起動
第2部:世界動向
これまで陸上風力発電が主流だった海外でも、より大規模化しやすい洋上風力発電の導入が本格化し始めた。発電コストは急速に低下しており、陸上風力に迫りつつある。当初は着床式が先行するものの、長期的には浮体式が規模や発電コストで洋上風力発電の主軸になる可能性が高い。