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スーパーゼネコンも海洋へ進出

 洋上風力発電に期待するレガシー企業はまだある。スーパーゼネコンと呼ばれる建設会社や総合商社だ。これらの企業の多くが、洋上風車を運搬、設置するためのSEP船を買収、または自ら建造して洋上風力発電インフラの建設に参入する姿勢だ(表2)。清水建設は500億円を投じてSEP船を建造中。洋上風力発電事業は「5兆円ビジネス」(同社)とみる。同社はJERAと共同で、秋田県の促進区域で、洋上風力発電ファームの建設にも手を上げている。

表2 日本の商社・建築会社が所有、または建造中の洋上風車据え付け(SEP)船またはスパッド台船の概要
事業者 シージャックス・ジャパン(丸紅、商船三井) 戸田建設、 吉田組 五洋建設 大林組、
東亜建設工業
五洋建設、 鹿島建設など 清水建設 日本郵船、オランダVan Oord
竣工時期 2009~2015年(5隻)*1 2018年5月 2018年12月 2020年10月 2022年9月 2022年10月 2022年以前
クレーン能力 最大1500トン クレーンは不使用(1万3500トンを積載可能) 800トン 800トン
(1000トンまで拡張可能)
1600トン 2500トン 1000トン以上
出航1回における設置可能風車の規模 未公開 10MW級、浮体式風車にも対応 10MW級 9.5MW級×3基 10M~12MW級 8MW級×7基、または12MW級×3基(5日)など 未公開

*1 SEP船を保有していた英Seajacks Internationalを2012年に丸紅と産業革新機構が買収

海外からも「日本はカモ」と参戦

 こうした日本の洋上風力発電事業の盛り上がりには海外企業も黙っていない(図9)。既に触れたSeajacks International、ØrstedやRWE Renewablesのほか、SEP船大手のオランダVan Oord、投資会社のデンマークCopenhagen Infrastructure Partners(CIP)が日本の企業と組む形で日本市場に参入した。さらにはEquinorや石油メジャーの仏Totalも参入を検討している。「経済規模がある程度大きな国で、風力発電の導入が進んでいないのは日本とロシアぐらい。欧州の風力発電事業者には、日本は手つかずの草刈り場に映っている」(日本風力発電協会)。

図9 海外の再エネ企業大手も続々参入
図9 海外の再エネ企業大手も続々参入
海外、特に欧州の洋上風力大手の日本市場参入が相次いでいる。多くは、日本企業と事業提携する形だ。日本の企業にとっては、10年以上先行している企業の技術や経営ノウハウを吸収できるチャンスとなる。両者は相互互恵的な関係にある。
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 ただし、一方的に利益を吸い取られるだけにはならない。日本の企業はノウハウ不足で事業失敗だけは避けたい事態。協業は、欧州のノウハウに触れられるメリットがあり“Win-Win”の関係になるといえる。