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 NTTは2020年6月末、再生可能エネルギー事業に本格参入することを明らかにした(図A-1)。特徴は大きく3つ。(1)2030年時点での再エネ7.5GWの確保、(2)2025年度までの蓄電池の大規模導入と仮想発電所(VPP)化、(3)顧客への直流給電、である。このために少なくとも2025年度までは毎年1000億円、計6000億円を投資する。投資はその後も継続方針だが、額は決まっていない。NTTの100%子会社で2019年6月設立のNTTアノードエナジーが事業主体となる。

図A-1 再エネ7.5GW、蓄電池1.2GWh、直流配電から成る新しい電力サービス提供へ
図A-1 再エネ7.5GW、蓄電池1.2GWh、直流配電から成る新しい電力サービス提供へ
NTTが2030年に目指す、再エネの配電サービス。蓄電池1.2GWhに加えて、NTTの社用車1万台をEVにしてそれを蓄電池としても用いる。NTT局舎からの配電は自営線を敷くケースもある。電力サービスはBtoBtoXであるため、個人を直接対象にすることはない。(図:NTTの資料を基に日経エレクトロニクスが作成)
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再エネ軸にグループを再編

 (1)の7.5GWは、「グループ内電力消費量の30%を再エネ由来にすること」(NTT)が算定根拠だ。実現すれば設備容量で現在の四国電力や沖縄電力を上回る。その電力源確保には、自力開拓に加え、他社が開拓した既存の再エネの権利の譲渡を受けることも想定する。バイオマス発電や地熱発電を含むあらゆる種類の再エネを使う予定だが、グループ会社が保有する既存の再エネはNTTファシリティーズが開拓してきた太陽光発電0.3GW分程度。7.5GWの大部分が新規になるため、かなりの割合を1案件の規模が大きい洋上風力発電が占めそうだ。ただし、「洋上風力発電は、環境アセスメントなど時間のかかる手続きが幾つもあるので、時間的にかなりタイト」(NTT)ともいう。

 新電力のエネットへの出資などを通じて、NTTグループは既に電力サービスに参入済みだが、その電力源の多くは火力発電由来。今回は再エネを主軸に既存事業を再編した。具体的には、NTTアノードエナジーが、太陽光発電の遠隔監視サービス事業のNTTスマイルエナジーとエネットに出資して両社を子会社化した。