
「白物家電メーカー」消滅
~転生したら“よろず屋”だった件~
目次
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世界を席巻する中国企業、日本メーカーは急落の一途
“家電王国”と呼ばれたかつての日本企業の姿はもはやない。まさに崖っぷちの状況だ。生活家電市場に関する過去と直近のデータを基に、市場の現状と今後を端的に示す「数字」を紹介する。
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よろず屋への大転換、復活の鍵は現実データ
この10年のうちに、かつての「白物家電メーカー」は消滅する。未来の姿は、ユーザーの生活の困りごとを解決したり、生活そのものを豊かにすることを助けたりする“よろず屋”だ。
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機能てんこ盛りから「カスタマイズ家電」へ、IoTはユーザーの困りごと解決に必須
堂埜 茂氏〔パナソニック アプライアンス社副社長 ホームアプライアンス事業担当(兼)キッチン空間事業部長〕
日本の家電業界で海外企業への事業売却などが相次ぐなか、唯一の総合家電メーカーとして気を吐くパナソニック。同社も中国企業などの攻勢にさらされるなか、2018年には家電メーカーから「くらしアップデート業」への転身をビジョンとして打ち出した。
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「知能化」進む未来の家電、日本の課題はIoT人材不足
家電の未来を左右するのは、IoTやAIを活用した「IoT家電(スマート家電)」だ。既に製品の市場投入が活発化しているが、それに付随するサービスの提供は、まだ初期段階にある。
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“IoT家電先進国”の実態、低価格品でもつながる中国
[現地レポート:中国編]
「IoT家電先進国」と言われる中国。既に生活家電の多くがインターネットにつながり、ユーザーはスマートフォン(スマホ)で遠隔から操作したりすることが一般化しているという。
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サムスン、LGのIoT家電戦略 力点はスマートホームへ
[現地レポート:韓国編]
毎年1月に米国で開催される、世界最大級のコンシューマーエレクトロニクス関連の展示会「CES」で、2016年からIoT・AI機能を搭載した家電をアピールしてきた、韓国の2大メーカー、サムスン電子(Samsung Electronics)とLG電子(LG Electronics)。
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大切なのは哲学、ダイソン流でなければ意味はない
John Churchill氏(Dyson Vice President for Floorcare)
英家電大手のダイソン(Dyson)は2020年11月、新たな技術開発のために27億5000万ポンド(約3880億円)の投資計画を発表した。この巨額投資の狙いは何か、IoTやAI時代に何を目指していくのか。
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フードテックが導く「再創造」、失われた30年は取り戻せるか
食のシーンにデジタル技術やサイエンスを融合してイノベーションを創出する「フードテック」が、多くの業種を巻き込んだ産業大移動を起こしている。そこには、日本の家電メーカー再浮上へのヒントが詰まっている。
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技術はもはや競争軸ではない、重要なのはエコシステム
杜 鏡国氏(ハイアールグループ 副総裁 ハイアールジャパンリージョン CEO)
大型家電の販売台数で12年連続世界トップと、「家電の王者」として君臨する中国ハイアールグループ。多くの有力家電メーカーを取り込んで技術力とシェアを高めてきた。
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生活の変化とイノベーション、今必要な「デザイン」とは
家電の在り方が変わりつつある。根底にあるのは、消費者のライフスタイルの変化に伴って今の家電がその生活にフィットしなくなってきていることだ。新しいライフスタイルに合わせるために、今、デザインの重要性が改めて問われている。
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「白物」に閉じこもったら未来はない
沖津 雅浩氏(シャープ専務執行役員 スマートライフグループ長 兼Smart Appliances & Solutions事業本部長)
2015年に、家電をクラウドに接続して人工知能化することでもっと人に寄り添う存在にするための「AIoT」(AIとIoTの組み合わせ)という概念を打ち出したシャープ。
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QoL高める新サービス続々、家電データに無数のチャンス
家事の省力化を目的とした生活家電が成熟市場化する一方で、今後の成長分野と期待されているのが「ヘルスケア」と「美容」だ。いずれもQoL(Quality of Life)の向上というニーズに応えるために重要な分野であり、かつIoTを起点に様々なサービスを構築できる可能性がある。