家事の省力化を目的とした生活家電が成熟市場化する一方で、今後の成長分野と期待されているのが「ヘルスケア」と「美容」だ。いずれもQoL(Quality of Life)の向上というニーズに応えるために重要な分野であり、かつIoTを起点に様々なサービスを構築できる可能性がある。そこには、ハードウエア単体では完結しない、新しい家電の姿がある。
ここ数年で、新規事業としてヘルスケアや美容分野に参入する家電メーカーが増えている。健康や美容は生活者にとって最大の関心事の1つであり、ユーザーの身近に設置される家電から独自のサービスを提供できる可能性があるからだ。つまり、タッチポイントとして家電から活動データを収集してユーザーの状態・変化を捉え、個々のユーザーに対してパーソナライズされたサービスを提供したりする(図1)。
家電が取得したユーザー個人のデータを基にすることで、健康状態に応じた生活習慣のアドバイス、趣向に合わせた美容サービスなどにおいて、より質が高く、全く新しいアプローチのサービスが生まれたりする可能性がある。実は既に住居内にある家電を生かしたサービスの開発が進んでいる。