
特集
NTT「IOWN」の野望
光電融合技術を武器に、次世代情報インフラ奪還へ
目次
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限界を迎えるインターネット、突破に「光」、NTTが挑む
総論:エレクトロニクスからフォトニクスへ
インターネットが岐路に差し掛かっている。人工知能(AI)の浸透でデータ計算量が爆発的に増え、このままでは消費電力増に歯止めがかからないからだ。ここに来て、課題を乗り越える技術として、光技術に注目が集まっている。
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光をチップ直近から内蔵へ、モジュール商用化を23年に
第1部:光電融合
光技術でコンピューターの形が大きく変わろうとしている。鍵を握るのが、光信号と電気信号を融合する光電融合技術だ。NTTは低消費エネルギーで動作する光の特徴を生かし、電気信号で処理していたサーバー内の信号伝達や情報処理を段階的に光信号へ変えていく計画だ。
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「1人1波長」で100Gbps、脱TCP/IPで超低遅延
第2部:オールフォトニクス・ネットワーク
IOWN構想が掲げる超高速・大容量で超低遅延なネットワーク。それを実現するのが、「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」である。「1人1波長」のエンド・ツー・エンドのパスを作り、用途ごとに高速・大容量伝送を扱えるようにする。
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都市からヒトの心まで再現、未来を先読み、幸せを提供
第3部:デジタルツイン
NTTが現実世界をそっくり再現した仮想社会を作り上げようとしている。交通やインフラ、そしてヒトまでの「あるかもしれない未来」を洗い出し、即座に反映する。超高精度な3次元地図に、実世界のリアルタイムデータを加えた巨大なデジタルツインだ。
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IOWNは最初から世界視野、死の谷越える3つの条件
第4部:世界攻略
IOWN構想の実現に向けて、急ピッチで研究開発を進めるNTT。実現の鍵を握るのは世界攻略だ。もはや世界を見据えなければ、情報通信の技術トレンドを作れない。国内外でいかに有力企業と協業関係を築くのか。