
超進化型人間、誕生
目次
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AIと融合で新たな能力獲得、超進化のホットスポットは脳
総論
技術革新の恩恵を人間にフィードバックした「超進化型人間」が生まれようとしている。ベースになるのは、人間拡張(Human Augmentation)と呼ばれて研究開発されてきた領域だ。従来の外骨格のような肉体的な拡張から、脳をターゲットにした精神的な拡張へと加速する。
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人間とAIの融合で能力向上、拡張技術はアプリで流通する
暦本純一氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所副所長・東京大学教授)
人間の能力がインターネットを介して時間・空間を超越し、拡張していく概念「IoA(Internet of Abilities)」を提唱する、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)副所長で東京大学大学院情報学環教授の暦本純一氏。
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AIがケガや病気を未然に防ぐ、データで望まざる未来を予測
ハイブリッドヒューマン編
AIとの融合で生まれる「ハイブリッドヒューマン」は、AIの能力を自分のものとして身に付けた新人類だ。例えば、自分の未来の姿を予測し、状態の悪化などを未然に防げる。
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味や匂いの定量化が加速、究極のパーソナライズへ
ハイパーセンス編
五感が拡張された超進化型人間「ハイパーセンス」は、体性感覚を自在にコントロールできる。背景にはセンサーの小型化や高精度化といった計測技術の進化とAI分析、感覚提示などの再現技術の実現がある。
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脳を鍛えて超速学習、認知に潜む拡張の新境地
ディープスキル編
物事の理解・認識・判断といった認知、さらに予測や感情のコントロール。これらを司っているのが脳だ。昨今のテクノロジーの進化で、これまで可視化が難しかった脳機能を鍛える様々なアプローチが登場している。
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カジュアルに拡張できる未来を、引き算の技術の重要性に気づく
稲見昌彦氏(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)
高度な情報化社会ではどのような“身体”が最適なのか。新たな身体像として「自在化身体」を提唱する、東京大学先端科学技術研究センター教授の稲見昌彦氏は、自らの肉体という制約から解放され、物理世界とバーチャル世界に拡張されたあまたの身体を自由自在に使い分ける未来を描く。
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実用近づく埋め込み型BMI、医療から人間拡張のツールへ
埋め込み型デバイス編
生体内に入れて人間の身体活動などを補助したりする「埋め込み型電子デバイス」の開発が活発化している。これまでは心臓のペースメーカーなど用途が一部に限定されていたが、IoTやBMI(Brain Machine Interface)といった技術の進化で、より高度で多様な機能の実現がみえてきた。
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「人間2.0」で人生120年時代へ、融合領域の生命拡張に期待大
鎌田富久氏(TomyK 代表・東京大学大学院特任教授)
電子機器向けのソフトウエア開発などを手がけるACCESSの共同創業者で、かつて一世を風靡した「iモード」誕生の立役者の1人でもある、TomyK 代表取締役&Founderの鎌田富久氏。
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“戦う脳”に進化へのヒント、機能の解明で覆される常識
アスリート編
「勝利」という目標のために日頃から身体と精神を鍛えているアスリートには、人間の進化に向けた数多くのヒントが詰まっている。今、アスリートの世界で注目されているのが「脳」の働きだ。
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「システム2」目指す深層学習、進化の鍵は「意識」の役割に
寄稿:AI編
人間の知的能力の拡張にはAIの進化が欠かせない。主力技術の深層学習では、現在の限界の突破を狙った研究が始まった。人間の意識の機能を手掛かりに、新しいアーキテクチャーを模索する。進化したAIと人との連携には、いずれはBMI(Brain Machine Interface)が利用されそうだ。