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技術革新の恩恵を人間にフィードバックした「超進化型人間」が生まれようとしている。ベースになるのは、人間拡張(Human Augmentation)と呼ばれて研究開発されてきた領域だ。従来の外骨格のような肉体的な拡張から、脳をターゲットにした精神的な拡張へと加速する。肝はこれまで人間に備わっていなかった能力の獲得で、AI(人工知能)との融合がそれをもたらす。

 「テクノロジーで進化する『人間2.0』」。あの「iモード」誕生の立役者の1人として知られる、ACCESSの共同創業者で現在はエンジェル投資家として活躍するTomyK 代表取締役&Founderの鎌田富久氏は、モノ消費経済に大きな成長を見込めなくなった今、投資が向かう先は人間、特に健康や長寿になると予測する。22世紀に向け、人類はテクノロジーの力でアップデートし、様々な形で進化を遂げていくとみる(Interview-3)。

 ここで言う「進化」とは、これまで人間が獲得できていなかった能力を新たに備えることを意味する。例えば、超短時間で学習ができたり、少し先の未来を予測できたり、ケガや病気になることを回避できたりする(図1)。

図1 テクノロジーで超進化、人間の限界を超える
図1 テクノロジーで超進化、人間の限界を超える
様々な領域の人間拡張技術が人の進化を後押しし、人がまだ手に入れられていない新たな能力を獲得させる。(図:日経クロステック)
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 人類の祖先が500万年以上前に誕生して以来、人間は地球環境や社会の変化に合わせて独自の進化を遂げてきた。テクノロジーによる能力の補完も、最近の話ではない。

 例えば、眼鏡は13世紀後半にイタリアで発明されたとされる。義手/義足、そして人工呼吸器など医療機器もその類だが、人間2.0が獲得する能力はもっと広範で、異質だ。ある意味、人間の進化を非線形的に推し進めるものであり「超進化」と言っていいだろう。近未来においてそれを支えるのがAIやAR(拡張現実)/VR(仮想現実)、BMI(Brain Machine Interface)といったテクノロジーである。