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 住宅地図メーカーのゼンリンの子会社で、地図活用ソリューションなどに取り組むゼンリンデータコムは、熱海の観光ルートをイジングマシンで自動作成するデモサイトを期間限定で公開した注1)

注1)このデモサイトは2021年4月に公開を終了しており、現在は非公開になっている。

観光協会のモデルルートを活用

 このデモサイトの長所は、試行のたびに異なる観光プランが出てくる点である。同じ入力を与えても処理時間の長さで出力が変化するという、イジングマシンの特徴を逆手に取った(図1)。観光プランには客観的な最適解が存在しないため、ユーザーが複数の候補から気に入ったプランを選択できることが大きな強みとなる。「イジングマシンは解のランダム性を人が心地よいと感じる範囲に抑えられる。これは一般的なランダム関数にはない特徴だ」(開発者のゼンリンデータコム 技術本部 先端技術推進室 システムアーキテクトの高山敏典氏)。

図1 イジングマシン(東芝のSBM)が意外性のある熱海の観光プランを提案
図1 イジングマシン(東芝のSBM)が意外性のある熱海の観光プランを提案
ゼンリンデータコムが開発した、イジングマシンによる熱海の観光プラン生成の概要を示した。熱海に約500カ所ある観光スポットを組み合わせて観光プランをつくる(a)。全く同じ入力データでも結果が変わるのが特徴である。これは、必ずしも厳密解が出ないというイジングマシンの特徴を逆手に取った(b)。熱海市観光協会が作成したテーマ別モデルコースで、同じコースに含まれているスポット同士はセットになって出やすいようにした。(出所:(a)はゼンリンデータコムのデモサイトを許諾を得て日経クロステックがキャプチャーして加筆。(b)と(c)は日経クロステックが作成)
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 このデモサイトは、熱海に約500カ所ある観光スポットを組み合わせて、ユーザーの好みに合った観光スケジュールを提案する。スポット同士の相性も考慮しており、熱海市観光協会が作成した30のテーマ別観光モデルコースの中で、同じコースに含まれるスポットはセットで出やすいようにした。一貫したテーマを観光プランに与えるためだ。