日本で5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが始まってから約1年半が過ぎた。5Gエリアが限られているにもかかわらず、早くも国内外で5Gの次の世代の通信システム「6G」に向けた動きが活発化している。見えてきたのは5Gを超える多様な価値を提供する通信システムだ。

Road to 6G
地球上から圏外を消し、超高信頼でつなぐ
目次
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5Gを超える多様な価値、デジタルと実世界を結ぶ
総論:6Gを知るキーワード
日本で5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスがスタートしてから約1年半が過ぎた。5Gの普及が始まったばかりであるにもかかわらず、早くも国内外で5Gの次の世代の通信システム「6G」に向けた動きが活発化している。見えてきたのは、5Gを超える多様な価値を提供するという6Gの姿だ。そんな6Gへの道…
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研究開発と知財戦略、事業開発、三位一体が6G巻き返しの鍵
Interview-1 東京大学大学院工学系研究科教授 森川 博之氏
6Gへ向けて日本勢の取り組みを推進するために「Beyond 5G推進コンソーシアム」と「Beyond 5G新経営戦略センター」という産官学の主要プレーヤーが参画する組織が立ち上がった。それぞれの組織で、企画・戦略委員会委員長と共同センター長という要職を務める東京大学大学院工学系研究科教授の森川 博…
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地球から圏外が無くなる、6G待たず「非地上戦」へ
第1部:6Gへの挑戦(1)空から地球をカバー
6Gに向けて国内外で動きが目立つのが、低軌道衛星や無人航空機を活用した非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、NTN)の構築だ。6Gを先取りし、地球上から圏外を無くす動きが進んでいる。ここではソフトバンクと楽天グループ、NTT、スカパーJSATホールディングスの取り組…
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課題山積のテラヘルツ波、モバイル利用へ新発想も
第1部:6Gへの挑戦(2)未知の領域テラヘルツ
6Gの技術開発テーマの1つとして注目を集めているのが「テラヘルツ波」の活用だ。テラヘルツ波は、これまで宇宙観測や空港検査のスキャン用途などに使われてきた。一方で通信への応用は未開拓だ。5Gで拡張されたミリ波以上に飛びにくいテラヘルツ波は、果たして移動通信に使えるようになるのか。
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革新はテストベッドが生む、縦糸横糸で国際連携を紡ぐ
Interview-2 東京大学大学院工学系研究科教授 中尾 彰宏氏
6Gに向けて世界で続々と推進団体が設立されるなど、国際競争が激しくなっている。「Beyond 5G推進コンソーシアム」の国際委員会委員長として、6Gの国際連携をリードする東京大学大学院工学系研究科教授の中尾 彰宏氏に、6Gに向けて日本が進むべき道を聞いた。
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NSAからSAへ進化する5G、スライシングやMEC実現
第2部:6Gへの架け橋(1)5G Evolution
2019年以降、世界で本格的に商用化がスタートした5G(第5世代移動通信システム)。その後も標準化団体では5Gの機能強化が続々と進んでいる。5Gのアーキテクチャーも、導入初期のNSA(Non-Stand Alone)からSA(Stand Alone)へと進化する。そんな5Gの進化(5G Evolu…
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基地局にオープン化の波、 AIネーティブな無線網へ
第2部:6Gへの架け橋(2)O-RAN
オープン化という新たな波が押し寄せるモバイルネットワーク。その震源地となっているのが業界団体「O-RAN ALLIANCE」(オーラン アライアンス)だ。O-RAN ALLIANCEの設立企業の1社であるNTTドコモが、同団体のビジョンや活動状況、仕様の詳細などを解説する。
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仮想化進む無線基地局、汎用サーバーでコスト削減
第2部:6Gへの架け橋(3)vRAN
仮想化基地局「virtual RAN」は、オープンな仕様に基づいてベンダー各社の基地局製品を組み合わせられる「Open RAN」と密接したテクノロジーである。これからの5G(第5世代移動通信システム)、そして5Gの次の世代の通信規格である「6G」へ向けた進展と切っても切り離せないvRAN について…