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Q4  デバイスにはどんな種類があるの?

 主なパワー半導体の種類は、「ダイオード」「バイポーラトランジスタ」「サイリスタ」「パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)」「IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)」である。現在、市場規模が最大なのはIGBTで、その次がパワーMOSFETだ。現時点ではシリコン(Si)ベースのデバイスが大半を占める。

バイポーラトランジスタ=p型とn型の半導体が、どちらか片方をもう片方が挟むように接合されたトランジスタ。大電流のスイッチングでよく使われる。
サイリスタ=ゲート電流をトリガーに、アノードからカソードへ電流を流すデバイス。npn型とpnp型のバイポーラトランジスタについて、片方のベースとコレクターをもう片方のコレクターとベースに接続した回路と等価である。ゲート電流を切っても、状態が維持される。

 パワーMOSFETはスイッチング性能が高く、高周波領域でよく使われている(図3)。ただし、バイポーラトランジスタほどの耐圧を持たないため、大電圧領域の電力変換では不向きだ。そこで、パワーMOSFETの耐圧の課題を克服したIGBTが開発された。IGBTは、パワーMOSFETを組み込んだバイポーラトランジスタである。スイッチング性能はパワーMOSFETには及ばないものの高く、耐圧性も高い。

図3 パワー半導体はウエハーの厚み方向に大電流を流す
図3 パワー半導体はウエハーの厚み方向に大電流を流す
パワー半導体として一般的な、パワーMOSFETとIGBTの構造を示した。パワーMOSFETは、ウエハーの縦方向に電流を流すので、IC用のMOSFETよりも大電流を流せる。なお、ここで示したパワーMOSFETは「プレーナ構造」と呼び、他に「トレンチ構造」という、ゲート電極をウエハーに埋め込んだ構造もある。現在主流のIGBTは、MOSFETとバイポーラトランジスタを組み合わせた構造で、耐圧とスイッチング性能を兼ね備えている(出所:日経クロステック)
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