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Q6 次世代パワー半導体って何?

 炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を材料としたパワー半導体のこと。両者とも、絶縁破壊電圧や、飽和電子速度などの面でSiを上回る物性値を持つ。「第3世代パワー半導体」ともいわれる(第1世代はGe、第2世代はSi)。

 Siと比べて、絶縁破壊電圧はSiCが約10倍、GaNが約11倍高く、飽和電子速度は両者ともSiをしのぐ。製造の難易度の高さや、材料の品質の問題で理論上の性能を十分に出せなかったこと、コストなどが原因で、実用化に時間がかかっていたが、2010年代に一部のアプリケーションで使われ始めた。これから本格普及が進むと予想され、2019年から2027年の9年間の年平均成長率(CAGR)はSiCが20.5%、GaNが34.1%の見通し。

 次世代パワー半導体を搭載することで、機器の出力や動作周波数が飛躍的に伸びる(図5)。現在はハイエンド品を中心にSiからの置き換えが進んでいる。

図5 Siと化合物系は適材適所に使用
図5 Siと化合物系は適材適所に使用
出力容量と動作周波数ごとのパワー半導体デバイスの適性およびアプリケーションを示した。現在の主力であるSiは今後も使われ続け、ハイエンド品がSiCやGaNに置き換わってゆくとみられる(出所:取材を基に日経クロステックが作成)
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Q7 シリコンパワー半導体はなくなるの?

 Siは今後も使われ続けるということで多くのメーカーの意見は一致している。低圧領域のアプリケーションなどでは、高コストな次世代パワー半導体を使うメリットがないからだ。Omdiaの予測では、2027年時点でもSiパワー半導体の市場規模はSiCの約6倍もある。