電動垂直離着陸(eVTOL)機、いわゆる「空飛ぶクルマ」の社会実装が近づいている。そのきっかけとなるのが、2025年4月に開幕する大阪・関西万博だ。商用運航の実現を目標とする。ただし、航空機並みに安全な機体の開発だけでなく、離着陸場や各種の制度整備、社会受容性の確保など難題が山積みだ。空飛ぶクルマの社会実装に向けた最新の取り組みや、技術開発、環境整備などを追った。

特集
空飛ぶクルマ、25年日本で発進
目次
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自動車メーカーも空飛ぶクルマに続々参入 25年万博で始動、50年に100兆円超市場へ
第1部:総論
将来、100兆円を超える巨大市場を形成するとの予測もある「空飛ぶクルマ」、つまり電動垂直離着陸(eVTOL)機の社会実装が近づいている。国内における本格始動の場は、開幕まで3年を切った「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博、4月13日〜10月13日)である。しかし、機体開発を含め、実現に向け…
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国産の空飛ぶクルマは10km圏内で勝負、「将来はタクシーと同額」目指す
インタビュー
元トヨタ自動車の社員が立ち上げた、eVTOL機を開発するベンチャーのSkyDrive(愛知県豊田市)。安全性を認証する型式証明の日本での取得と、2025年に開催される大阪・関西万博での事業開始を目指す。機体開発では資金力に勝る欧米勢が先行するなか、日本の機体メーカーとして何を強みとして打ち出してい…
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欧米「空飛ぶクルマ」社会実装最前線、24年が商用サービス開始のターゲット
第2部:海外動向
欧米では日本に先行して、2024年ごろのeVTOL(電動垂直離着陸)機サービスの商用化を目指した取り組みが進められている。こうした海外での機体開発やインフラ、制度整備、ビジネス設計などの最新動向に関する情報は、空飛ぶクルマの社会実装を進めるうえで大いに参考になる。海外動向に詳しい、三菱総合研究所の…
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デンソーの高出力モーターに業界騒然 ホンダも参入、ガスタービンで開発競争
第3部:要素技術
eVTOL(電動垂直離着陸)機はまったく新しいエアモビリティーであるため、機体開発と同時に、その性能を左右するモーターや電池などの要素技術、離着陸場、運行管理システムといったインフラ技術などの開発も活発に進められている。最近では「電池の限界説」も唱えられ、ガスタービン発電機の開発競争も起きている。…