ロシアによるウクライナ侵攻で、新たな段階に入ったインターネットの分断である「スプリンターネット」。実は中国は長年にわたって、現在のインターネットの管理体制に異議を表明し、行動を続けている。中国やロシアなど権威主義国と、自由で開かれたインターネットを尊重する民主主義国との間で対立が激しくなっている。
世界では現在、インターネットの管理を巡って、2つの陣営の対立が表面化している。一方の陣営は、米国や欧州など民主主義的な国家だ。これらの国々は、現在の「自由で開かれたインターネット」を尊重。インターネットは、エンジニアや企業、学者、市民、そして政府という多様な人々の意見を民主的に反映した「マルチステークホルダー」によって管理されるべきだという立場を取る。
もう一方の陣営は、中国やロシアなど権威主義的な国家である。これらの国々は、国家がインターネットの統制を強め、自国内のインターネットに支配力を及ぼすべきだという「サイバー主権」を掲げる。中国やロシアなどはその考えに基づき、「マルチラテラル」と呼ぶ国家間の交渉によってインターネットを管理するべきだという考え方を示す。