世界最大のテクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)が、3年ぶりに本格的にリアルで開催された。世界から3200社以上が出展し、11万5000人以上が来場した。今回、主役となったのはテレビやEV(電気自動車)といった特定の「モノ」ではない。人間の生活をより安全で豊かにしたり、社会課題を解決したりするためのさまざまなテクノロジーである。新型コロナウイルス感染症という巨大な災禍を経て、人々の価値観がモノから脱却していることを強く印象づけた。

特集
CES、脱モノへ
目次
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ソニー・ホンダがEV「AFEELA」を披露、クアルコムも自動車向けSoCで攻勢
第1部:モビリティー
テクノロジー見本市であるCESは、約300社の自動車関連企業が集結する「世界最大級の自動車ショー」〔主催者のCTA(全米民生技術協会)〕でもある。今回の注目ポイントは、電気自動車(EV)化と自動運転化という大きな潮流の中での各社の動きだ。
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囲い込み競争が終焉へ、グーグルもサムスンも「Matter」アピール
第2部:スマートホーム
これまで互換性がない複数の規格が乱立し、思うように市場が成長しなかったスマートホーム業界に大変革の時が訪れている。2022年秋に通信の統一規格とみなされている「Matter」の仕様が公開されるとともに、大型家電のクラウド連携規格「HCA」の仕様が今回のCESに合わせて公開された。
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超軽量VR用HMDや簡易CGモデル制作、ハードの敷居下げてメタバースを日常に
第3部:メタバース
他の参加者と自分のアバター(分身)を介して交流したりできるインターネット上の3次元(3D)仮想空間「メタバース」。経済活動の場としても大きな可能性を秘めているが、世の多くの人にとってはいまだに参加の敷居が高い。
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「手軽な検査」「遠隔医療」「五感活用」、存在感を増す健康テック
第4部:デジタルヘルス
CESでヘルスケア分野や医療分野の課題を様々なデジタル技術で解決する「デジタルヘルス」の存在感が増している。以前からCESに足を運んできた参加者から驚きの声が上がるほどの盛況ぶりだ。
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LGとサムスンが有機ELで「高輝度化」対決、日本勢は独自ディスプレーの改良版を披露
第5部:ディスプレー
ディスプレー業界の最大の注目は、テレビ向けの有機EL(OLED)パネルを巡る韓国LG Display(LGディスプレイ)とSamsung Display(サムスンディスプレイ)の争いだ。
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CESで見つけた注目技術
第6部:その他の技術
世界的な食料不足の懸念に対し、農業・食品分野に新技術を導入して解決を目指す取り組みが盛んになってきた。「CES 2023」では、農業機械の自律化や電動化、新しいロボットなどが関心を集めた。