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これまで互換性がない複数の規格が乱立し、思うように市場が成長しなかったスマートホーム業界に大変革の時が訪れている。2022年秋に通信の統一規格とみなされている「Matter」の仕様が公開されるとともに、大型家電のクラウド連携規格「HCA」の仕様が今回のCESに合わせて公開された。スマートホームはこれまでの囲い込みから使い勝手の競争へステージを上げる。

 「CES 2023」の会場で、あちらこちらで目にしたロゴがある。米Connectivity Standards Alliance(CSA)が2022年10月に「1.0版」を発表した、スマートホームの新通信規格「Matter(マター)」である(図1)。

図1 会場のあちらこちらで見かけたMatterのロゴ
図1 会場のあちらこちらで見かけたMatterのロゴ
韓国Samsung Electronicsは、自社のブースで、同社が以前から推進している「SmartThings」の対応製品がMatterにも対応することをアピールしていた。SmartThingsは、ネットワークに接続された家電を同社のスマートフォンのアプリで制御する、スマートホームのプラットフォームである(写真:日経クロステック)
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