これまで半導体チップは、微細化によって集積度の向上を果たしてきた。ところがここにきて、微細化技術の難易度が増し、技術進化のスピードの低下や製造コストの増大が顕著になってきている。一方で、ヒトやモノから生じ、処理されるデータ量は増大し続けており、半導体の集積度向上への要求はとどまることを知らない。このジレンマ解決のため、いよいよ異種チップ集積(ヘテロジニアスインテグレーション)の出番がやってきた。様々な機能を持ち、多様な世代の製造技術でつくられる異なるチップを組み合わせて使う技術だ。

特集
いよいよ、異種チップ集積
目次
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半導体の集積度向上の切り札、「異種チップ集積」10の疑問
第1部:Q&A
異種チップを1つのパッケージにまとめる「ヘテロジニアスインテグレーション(異種チップ集積)」が、近年盛り上がりを見せている。異種チップ集積とは何か。なぜ注目が集まっているのか。
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ムーア氏も予見、異種チップ集積が 半導体進化のど真ん中に
第2部:総論
故ゴードン・ムーア氏が提唱した半導体集積化の経験則「ムーアの法則」。微細化を極めることで続いてきたこの経験則も、物理的な限界が迫り、最先端プロセスでの半導体製造のコストが激増するという事態になっている。
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ラピダスも異種チップ集積に本気、国内材料・装置メーカーを先導へ
第3部:国内動向
2nm世代の最先端ロジック半導体の委託製造を目指す新会社、Rapidus(ラピダス)。同社もまた、微細化だけでなく、異種チップ集積による半導体の集積率向上を狙う。
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AMDの猛追にもがくIntel、Coreに異種チップ集積適用で復活狙う
第4部:海外動向
米Intel(インテル)は、マイクロプロセッサーの分野で競合の米AMD(Advanced Micro Devices)からの急速な追い上げに苦しんでいる。この対抗策として異種チップ集積を採用する。
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課題は熱対策と低コスト化、異種チップ集積の開発競争が加速
第5部:技術
異種チップ集積は現在、2つの方向で技術開発が進んでいる。1つは「先進2次元実装」。もう1つが、「3次元実装」だ。3次元実装は高速・低消費電力性に優れる半面、コストや放熱性という面に課題がある。