「日経エレクトロニクス」は電子・情報・通信など、エレクトロニクスすべての分野の技術情報をお届けする、開発・設計者向けの情報誌です。度重なる取材をもとに、詳細なデータを加え深意を解説。また、競合する技術を徹底比較し、その技術の相対的な位置づけを明確にします。さらに、部品技術や機器メーカーの評価、要素技術の将来性、知的財産権の法的見地、各種規格の標準化動向などもウォッチし、技術開発に役立つ深堀した記事を提供しています。
日経エレクトロニクス
目次
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日経エレクトロニクス 2023年6月号
いよいよ、異種チップ集積
これまで半導体チップは、微細化によって集積度の向上を果たしてきた。ところがここにきて、微細化技術の難易度が増し、技術進化のスピードの低下や製造コストの増大が顕著になってきている。一方で、ヒトやモノから生じ、処理されるデータ量は増大し続けており、半導体の集積度向上への要求はとどまることを知らない。こ…
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日経エレクトロニクス 2023年5月号
働く蓄電池
世界の電力系統が蓄電池で急速に変わり始めた。“電力の銀行”ともいえるVPP(仮想発電所)が本格化し、大型の定置用蓄電池から、家庭用蓄電池、そして電気自動車(EV)の蓄電池までもが自ら“稼ぎ”始めた。これまで蓄電池は、災害などに備えた掛け捨ての保険のようなものだったが、今後は導入費用の償却が見込める…
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日経エレクトロニクス 2023年4月号
半導体、覇権の行方
1980年代に栄華を誇り、今や衰退の一途をたどる日本の半導体製造事業。この状況を反転させようと、日本政府が動き始めた。背後にいるのは、台湾有事を懸念する米国政府だ。世界の半導体生産の中心地、台湾からの出荷が止まれば、世界経済は大混乱に陥る。
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日経エレクトロニクス 2023年3月号
CES、脱モノへ
世界最大のテクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)が、3年ぶりに本格的にリアルで開催された。世界から3200社以上が出展し、11万5000人以上が来場した。今回、主役となったのはテレビやEV(電気自動車)といった特定の「モノ」ではない。
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日経エレクトロニクス 2023年2月号
昇日のポストSiC
次世代パワーデバイス材料、炭化ケイ素(SiC)市場の急速な立ち上がりに合わせ、その次を見据えた動きも活発化してきた。酸化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、ダイヤモンドといった新しい材料を使ったパワーデバイスだ。研究開発フェーズを抜け出し、実用化という日の出を迎えようとしている。
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日経エレクトロニクス 2023年1月号
分断するインターネット
グローバルで単一のネットワークとしてこの30年近く大きな発展を遂げてきたインターネット。そんなインターネットに、世界情勢の不安定化に伴って分断の兆しが見えてきた。民主主義国と権威主義国の対立も分断に拍車をかける。自由で開かれたインターネットの時代は終焉を迎えるのか。
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日経エレクトロニクス 2022年12月号
「電池交換」でEVゲームチェンジ
利用者が蓄電池を充電するのではなく、交換して使う電池交換サービスがモバイル、2輪、そして電気自動車(EV)で急速に広がり始めた。電池交換サービスが普及すれば、従来のEVの電池や充電に関連する課題のほとんど、そして電力系統の負荷集中問題や再生可能エネルギーの出力変動問題の多くが解決する。EVや電池に…
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日経エレクトロニクス 2022年11月号
食肉2.0、主役はメーカー
畜産業から製造業へ─。今、食肉製造のあり方が大きく変わろうとしている。動物を育て食肉を得るのではなく、細胞を培養し、それらを集めて加工し、食肉とする「食肉2.0」とも呼ぶべき新しいモデルだ。食の安全や安定調達、環境問題、動物愛護の観点から将来、大きな産業になると目され、各国政府が育成に力を入れる。…
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日経エレクトロニクス 2022年10月号
空飛ぶクルマ、25年日本で発進
電動垂直離着陸(eVTOL)機、いわゆる「空飛ぶクルマ」の社会実装が近づいている。そのきっかけとなるのが、2025年4月に開幕する大阪・関西万博だ。商用運航の実現を目標とする。ただし、航空機並みに安全な機体の開発だけでなく、離着陸場や各種の制度整備、社会受容性の確保など難題が山積みだ。空飛ぶクルマ…
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日経エレクトロニクス 2022年9月号
SiC待ったなし
炭化ケイ素(SiC)パワー半導体が2025年に本格普及を始める。現在、自動車メーカー各社が電気自動車の開発にしのぎを削るが、バッテリー容量増大を抑えながら長距離化を狙うには、スイッチング損失が少ないSiC パワー半導体をインバーターに採用することが必須となるからだ。半導体メーカー各社は需要急増を見…
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日経エレクトロニクス 2022年8月号
基地局インフラ、呉越同舟
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社が第4世代移動通信システム(4G)でつながりやすさを競った結果、各社の人口カバー率の違いが問題になることはほとんどなくなった。エリアの狭い基地局を多数設置しなければならない第5世代移動通信システム(5G)では、携帯電話基地局を所有することが経営の重荷に…
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日経エレクトロニクス 2022年7月号
シン・ディスプレー、現る
3年ぶりのリアル開催となったディスプレー技術の祭典「SID Display Week 2022」では、液晶ディスプレーから有機EL(OLED)ディスプレーを経て、マイクロLEDディスプレーへ、といった次世代ディスプレーをめぐる技術開発の流れに新たな潮流が見えてきた。マイクロLEDとOLED、そして…
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日経エレクトロニクス 2022年6月号
大乱闘!半導体サプライチェーン
食料、石油、そして半導体。21世紀において、半導体は戦略物資になった。大量データの解析能力が企業や国家の競争力に直結する現在、高性能な半導体がなければ、高度なデータ分析もできず、科学技術の発展も見込めない。一方で、米中対立や、ウクライナ危機、大規模災害など、半導体のサプライチェーンに大きなゆがみを…
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日経エレクトロニクス 2022年5月号
浮遊なるか空中ディスプレー
空中ディスプレー技術の社会実装が、新型コロナ禍での非接触ニーズを追い風に立ち上がりつつある。タッチパネル代替が顕在化しているが、車載やサイネージなど他用途への展開の期待も大きい。しかし一方で、コストや視野角の狭さなど普及に向けて解決すべき課題も多い。今後問われるのは、コストアップに見合う「映像が浮…
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日経エレクトロニクス 2022年4月号
GAFAMに飲まれる通信インフラ
2022年2月28日から3月3日にかけて開催されたモバイル業界最大級の展示会「MWC Barcelona 2022」。通信事業者に代わり、そこで存在感を見せつけたのが、米Amazon.comや米Microsoftといった巨大IT企業だ。巨大なトラフィックやクラウド基盤を武器に通信インフラを侵食しつ…
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日経エレクトロニクス 2022年3月号
LIBリサイクル、大躍進
かねて“ 都市鉱山”と呼ばれながら20年近くも実現していない“ 幻”のリチウム(Li)イオン2次電池(LIB)のリサイクル事業に多数の事業者が巨額を投じて参入してきた。2025年時点の事業規模は数年前の数十倍に拡大しそうだ。事業が軌道に乗れば、LIBが抱える多くの課題が大幅に改善し、電気自動車(E…
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日経エレクトロニクス 2022年2月号
8Kの次は超空間映像
世界中の企業がにわかに強化を打ち出している、インターネット上の仮想空間「メタバース」。その発展の鍵を握るのが、現実世界を仮想空間に持ち込むための映像技術である。それは映像技術の進化の主軸が、これまでの解像度を中心とする高品質化から、3次元空間での没入感を提供する「イマーシブメディア」に移行すること…
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日経エレクトロニクス 2022年1月号
間違いだらけのスマートシティー
補助金ありきではない、「持続的」なスマートシティー実現を模索する動きが活発化している。その中で重要な要素を担うのが「市民データ」だ。市民の日常生活から発生するデータを指し、スマートシティーが受け皿になる可能性が高い。街の日常を支え、市民と企業が共存共栄できるスマートシティーの在り方を探る。
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日経エレクトロニクス 2021年12月号
蓄エネマシン、猛レース
再生可能エネルギーの導入が進んだことで、海外では電力系統の需給バランスからはみ出した余剰電力も無視できない量になってきた。その課題を解決するため、蓄エネルギーシステムの大量導入が始まった。市場規模は少なくとも数十兆円。それに向けて、さまざまなタイプの蓄エネルギー技術が次々に提案され、主導権を握るべ…
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日経エレクトロニクス 2021年11月号
乗り遅れるな、宇宙ビジネス
米国のベンチャー企業による民間宇宙旅行の商業化は、宇宙ビジネス本番への号砲だ。今後、これまでとは比較にならない数のモノ(人工衛星)とヒトが宇宙に輸送され、2040年に100兆円とも言われる巨大市場を形成する。キーワードは「衛星コンステレーション」と「月」。月面探査での先行者利益を狙う民間企業の競争…