
WORLD
目次
-
オープンバンキングの可能性を切り開く
[Tink]ユースケースに応じた機能群で口座接続の価値を追求
スウェーデンのTinkは、銀行口座接続サービスを提供する世界的なFinTech企業だ。多岐にわたる機能を用意することで、ユーザー企業のニーズを幅広く網羅する。同社の機能群から、オープンバンキングを活用したサービスの在り方がみえてくる。
-
銀行口座の価格破壊に挑む巨人
[Walmart]低所得者層向け金融が本業とのシナジーを生む
米国市場で圧倒的な存在である米Walmartは、2000年代初頭から金融領域に力を注いできた。unbanked/underbankedの割合が高い顧客層のニーズに応えるサービスラインアップが特徴だ。2022年には従業員向けに口座サービスのテストを開始、金融の本丸で価格破壊に乗りだそうとしている。
-
金融で飛躍するバーティカルSaaS
[Toast]レストラン業務を支えるEmbedded Financeの真価
米Toastはレストラン業界に特化した「バーティカルSaaS」を提供する。随所に金融サービスを組み込むことで、業務ソリューションの付加価値を向上。汎用的なSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)が根付きづらい外食産業で急成長を遂げた。
-
地域金融機関のデジタル伴走者
[Jack Henry & Associates]クラウド事業とオープン戦略で成長続ける金融ベンダーの理想像
米Jack Henry & Associatesは、地域金融機関向けのITベンダーとして長い歴史を誇る。早くからクラウド化やオープンプラットフォーム化に力を注ぐことで競争力を確保。逆風が吹く米国の地域金融機関のデジタル化を強力にサポートし、成果を挙げている。
-
生命保険の矛盾に挑む非対面仲介
[Anorak Technologies]4つのプロセスで個人に最適な商品を突き止める
英Anorak Technologiesは、生命保険仲介のオンラインプラットフォームを手掛けている。高い金融リテラシーを求められる保険選びをサポートする4つのプロセスを用意。従来のネット保険サービスがカバーしてこなかったニーズに応え、生命保険の複雑さを解消する。
-
コロナ禍で輝いたデジタルバンクの真価
[DBS]収益貢献度の高い「デジタル顧客」を科学的手法で育成
シンガポール最大手の銀行であるDBSは2014年、組織の芯からデジタル化することを決意した。同行が力を注ぐのが、収益貢献度が格段に高い「デジタル顧客」の育成だ。コロナ禍の逆風にあって、業績悪化を緩和する上で重要な役割も果たしている。
-
法人カードを経営管理ツールに昇華
[Divvy]国際ブランドカードとアプリの連携で経費精算業務の摩擦を取り払う
米Divvyは、アプリで制御可能な法人カードを手掛けるSME(中小事業者)向けFinTech企業だ。従来の法人カードが抱えていたガバナンスや与信枠を巡る問題を解消。ユーザーに課金しない独特のビジネスモデルも奏功し、飛躍的な成長を遂げている。
-
革新の歴史を歩み続ける老舗FinTech
[Intuit]売上高は1兆円、万人の課題に向き合い続ける「会計ソフト大手」の素顔
会計ソフト大手の米Intuitは1983年創業で、「最古参のFinTech企業の1つ」として知られる。創業40周年を目前にしながらも、イノベーションへの姿勢に衰えの兆しはない。その原動力となっているのは、創業当初から貫く徹底したユーザー本位主義だ。
-
POSA技術を核に加速する金融事業
[InComm Payments]グローバライズとローカライズの絶妙なバランスが支える世界展開
プリペイドカードの流通販売で世界的に揺るぎないポジションを確保しているのが米InComm Paymentsだ。規制の壁が高い金融分野で世界展開に成功した秘訣は、きめ細かいローカライズ戦略にある。近年は、代名詞とも言えるPOSA技術を核に、世界中で金融関連サービスの多角化を加速している。
-
デジタル決済で飛躍したスーパーアプリ
[Grab]「東南アジア版Uber」からの脱却をかなえた独自のビジョン
東南アジア8カ国でサービス展開するスーパーアプリとして日本でもおなじみのGrab。配車サービスが起源だが、「GrabPay」の提供によって巨大なエコシステム構築に成功した。金融機関から機能提供を受けて多国展開を進めるなど、「Embedded Finance」の先進企業でもある。
-
欧州全域の銀行を巻き込む仲介基盤
[Raisin]110超の金融機関とユーザーをつなぐ独自のポジション
独Raisinは、資産形成に関する金融商品を仲介するプラットフォームを欧州各国で運営する。110を超える金融機関が持つ750以上の金融商品から、ユーザーは自在に選ぶことが可能だ。欧州で培ったUX(ユーザー体験)のノウハウを武器に、米国ではソフト提供で成長を目指す。
-
テクノロジー企業宣言に秘めた危機感
[Mastercard]オープンバンキング時代を見据えた自己の再定義
カード決済の雄である米Mastercardは近年、「決済領域におけるテクノロジー企業」を標榜している。背景にあるのが、オープンAPIを活用した銀行口座間(Account-to-Account、A2A)決済の台頭だ。英国と北欧を中心にA2A決済の足場を着々と固め、来るべきオープンバンキング時代への備…
-
テック企業が目指す「完璧な」銀行
[Starling Bank]個人、法人、BaaSと対象を拡充、コロナ禍でも止まらぬサービス開発
英Starling Bankが急成長を遂げている。コロナ禍での新サービス提供を追い風に、黒字化も視界に捉えた。マーケットプレースやサブスクリプションなど、通常の銀行とはひと味違ったモデルが同行の特徴だ。対象顧客を個人から法人、さらにはBaaS(Banking as a Service)に広げ、サー…
-
2つのスーパーアプリ、断絶解消へ1歩
[Square]Afterpay買収に透ける巨大経済圏確立への野望
モバイル決済で知られる米Squareが、BNPL(後払い)の世界的大手である豪Afterpayの買収に動いた。買収の狙いは単なるサービスラインアップの拡充ではなく、巨大な経済圏構築にある。個人向けの「Cash App」と事業者向けの「Seller」という2つの独立したスーパーアプリの橋渡し役にする…
-
米国を席巻するBaaSの先駆者
[Green Dot]パートナー企業との提携で拡大を続ける独自のエコシステム
米Green Dotは、米Apple、米Amazon.comといった名だたる企業の金融事業を支えるBaaS事業者だ。プリペイドカードを起点に、多岐にわたる金融機能と大規模な金融ネットワークを構築してきた。提携企業をエコシステムに取り込みながら、今なお、事業拡大を続けている。
-
FinTechの革新を支える陰の立役者
[Plaid]銀行口座接続サービスが解消したスタートアップの共通課題
米Plaidは、FinTech企業などに対して銀行口座接続サービスを提供するBtoB企業だ。米Visaが53億ドルで買収しようとし、米司法省が待ったをかけたことでも注目が集まった。Plaidの真の姿をひもとくと、決済企業でもない同社がVisaの競合たりうると判断された理由が見えてくる。
-
多品種少量生産のカード発行で躍進
[Marqeta]柔軟な基盤で新たな決済体験を次々と実現
2021年6月に米NASDAQへの大型上場を果たした米Marqeta。柔軟性の高いカード発行プラットフォームを運営し、多岐にわたるサービス性のカードを自在に実現する。
-
スムーズな購買体験の飽くなき追求
[Klarna]後払い決済からショッピングアプリへの飛躍
後払い決済(BNPL)の代表格であるKlarnaが進化を続けている。決済にとどまらず、ショッピングアプリとしても成功を視界に捉えた。最近になって力を注ぎ始めた銀行業にも注目が集まる。
-
テクノロジーで挑むリテール市場
[Goldman Sachs]ビッグプレーヤーとの協業続けるEmbedded Financeの先駆者
投資銀行の雄がリテールバンキングで成果を上げ始めた。デジタルバンキングやEmbedded Financeといった旧来の手法に捉われないやり方に、FinTechにおける大きな潮流の先端を走ってきた先駆者の姿が映し出されている。
-
米国:米アワードにみる革新のトレンド
先端技術だけではない、社会課題への挑戦が存在感
「Global Innovation Awards 2020 」の最終結果が発表された。技術進化に対応するだけでなく、金融業務の範囲を超えた挑戦が評価される傾向が強まっている。金融機関におけるイノベーションの方向性を知るうえで、参考になるはずだ。