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製造業を中心に機械制御用の人工知能(AI)を開発するエイシング。ディープラーニングとは一線を画し制御向けに絞った軽量、高速、高精度が売りだ。学生時代のロボットの制御をきっかけに起業した出澤氏。生産現場向けの制御用AIは、あるようで実はほとんどなく「ブルーオーシャン」という。(聞き手は吉田 勝、斉藤壮司、岩野 恵)

(写真:栗原克己)
(写真:栗原克己)
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 エイシングを起業したのは2016年です。今年(21年)で5周年を迎えました。起業当初から、機械制御向けの軽量で高速なAIアルゴリズムを開発してきました。リアルタイムな学習・予測が可能なエッジAIです。現在は、最初に開発した木構造の「DBT」、ランダムフォレストをベースに追加学習ができるようにした「SARF」、超軽量の「MST」、異常検出用の非常に軽量な「MSAT++」の大きく4つのアルゴリズムを展開しています。20年の年末に発表したMSTは、家電製品やスマートウォッチなどに搭載される指先大の極小マイコンにも搭載できます。