全4451文字
PR

セルロースファイバーとプラスチックの複合材料をいち早く実用化した。石油の使用量を削減でき、リサイクルしても強度が落ちにくい。独自のセルロース製法によって、剛性と耐衝撃性という付加価値を確保。適用したビール用カップは、剛性を生かした飲み口のキレが売りだ。セルロースの含有量を70%に高めた材料も開発し、バイオマス比率を90%に高め、さらには生分解性の追求も始めた。(聞き手は木崎健太郎、石橋拓馬)

写真:加藤 康
写真:加藤 康
[画像のクリックで拡大表示]

 セルロースファイバーを使った我々の材料「kinari」の1つとして、最近(2022年3月)バイオマス材料の濃度が90%のものを発表しました。セルロースの濃度は55%ですが、組み合わせるプラスチック(ポリエチレン:PE)もバイオマスにした材料です。製造に必要な石油の量を大きく減らせました。

 その1年前の2021年2月には、セルロース濃度が70%の材料(30%分のプラスチックはポリプロピレン:PP)を発表しており、その頃から問い合わせが大変増えました。