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日本のものづくりを支える鉄鋼業大手JFEスチールのトップとして、全社のデジタルトランスフォーメーション(DX)とグリーントランスフォーメーション(GX)を率いる北野嘉久氏。目指すのは全生産ラインをデジタル化し、生産や品質をリアルタイムに管理する仕組みの確立だ。GXについては水素の活用に力を注ぐ。DXやGXを軸に、今よりも多様な人材が活躍できる会社を目指す。(聞き手は戸川尚樹=日経クロステック発行人、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、吉田 勝=日経クロステック/日経ものづくり)

写真:村田和聡
写真:村田和聡
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 2021年度通期の鉄鋼事業の連結セグメント利益は3200億円と、現在の第7次中期経営計画の目標値を大きく上回ることができました。2019年度と2020年度は鉄鋼事業が赤字でしたので、2021年度は黒字の必達を目標に従業員と一緒に頑張った結果が出たと受け止めています。

 ただ、セグメント利益には棚卸しの評価益を含めているので、実力的にはまだ道半ばと思っています。(現中計の期間である)2024年度までに実力を高めたいと考えています*1

*1 2022年8月3日に発表した鉄鋼事業セグメント利益の2022年度通期の見通しは前期比1737億円減の1500億円。インタビューは2022年7月26日に実施した。

 まずは販売価格の改善に取り組まなければなりません。原材料にエネルギーと最近は価格の変動が非常に激しく、しかも高止まりしています。製品の販売価格へ速やかに転嫁できるようにしたい。

 物価高に対してはコスト削減活動も欠かせません。価格転嫁とコスト削減、この両方に取り組みます。