2023年1月1日、レゾナック・ホールディングスが発足した。昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が経営統合した会社だ*。髙橋秀仁社長兼最高経営責任者(CEO)は、半導体・電子材料事業への「集中と選択」を掲げる。豊富な計算科学系の人材をてこに、世界でトップ3の化学メーカーへの仲間入りを目指す。(聞き手は近岡 裕、高市清治)
米General Electric(ゼネラル・エレクトリック、GE)などを経て昭和電工(現レゾナック)に転身しました。昭和電工を選んだ理由は、技術の根っこがしっかりしているポートフォリオカンパニー(複数の異なる事業を持つ企業)だったから、というのが理由の1つです。
特定の技術を評価したのではありません。昭和電工には、学歴の高い理系の技術者が集まっている点に興味がありました。恐らく過小評価され、出口が見えずに悶々(もんもん)としている姿が想像できました。事業ポートフォリオを見直して、リソースを適正に配置すれば技術者の目が輝き、大いに力を発揮してもらえる。そうすれば世界と戦えると考えました。