ニュースの深層
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直径1mで25年間燃料交換なし、三菱重工の超小型原子炉はどう動く
三菱重工業が超小型原子炉(マイクロ炉)の開発を進めている。炉心サイズが直径1m×長さ2mとトラックで運べる小ささだ。可搬性に優れることから、離島やへき地、災害時の電源として期待できる。次世代原子炉としては電気出力300MW以下の「小型モジュール炉(SMR)」などにも注目が集まっているが、マイクロ炉…
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800台のAGVがひたすら働く物流倉庫 モノタロウ、作業者の歩行を代替
MonotaRO(モノタロウ)は2022年4月から稼働を開始した物流拠点「猪名川ディストリビューションセンター」(猪名川DC、兵庫県猪名川町)を2022年5月24日に公開した。800台もの無人搬送車(AGV)を導入し、作業者の歩行を徹底的に削減して生産性を向上させる。機械製品や電気製品の組み立て・…
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自動車の国内生産は危機的水準、2018年からの3年で185万台が消滅
約185万台もの国内生産が消滅─。2018年を基準に2021年までのわずか3年間で、日本の自動車メーカー8社(トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業、マツダ、SUBARU、三菱自動車)の国内生産台数が2割も減っていることが分かった。
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EVモーターにレアアースは必要か、対応分かれるサプライヤー各社
電気自動車(EV)に使う駆動用モーターの開発で、希土類(レアアース)の不使用や使用量削減に向けた取り組みが再燃している。自動車メーカーの電動化戦略や、近年の原材料価格の高騰などを受け、リチウムイオン電池だけでなく、モーター材料の供給不足への懸念が出てきたからだ。
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鉄鋼大手など水素製鉄の開発加速、CO2排出量の半減目指す
国内鉄鋼大手がタッグを組んで水素製鉄の実現に向けた動きを加速させる。2022年6月15日、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の大手3社と金属系材料研究開発センター(JRCM)が、「水素製鉄コンソーシアム」の結成を発表した。製鉄に水素技術を導入する技術開発を進め、鉄鋼プロセスにおける二酸化炭素(C…
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液晶パネルが3Dプリンター市場に、大型化・多画素化武器に躍進
液晶パネル(LCD)は、今後有機ELやその先の次世代ディスプレー技術に市場シェアを奪われていくことがほぼ確実だ。ただ、悲観する必要はないかもしれない。3Dプリンターという急成長市場でLCDが重要な役割を果たしつつあるからだ。“新天地”では、消耗品という、これまでとは逆の役割を果たすことになる。
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「世界一」のPCR検査試薬工場へ、新型コロナからがん検査への飛躍目指す
新型コロナウイルス感染の判別手段として急速に広まったPCR検査。この猛烈な追い風を受けて成長したのがプレシジョン・システム・サイエンスだ。同社はPCR検査の前処理である遺伝子抽出に使う試薬や全自動のPCR検査装置の開発・製造を手掛ける。2022年4月21日には秋田県大館市に新工場を完成させた。全長…
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脱炭素やウクライナ情勢はどうなる 重工大手3社、21年度決算は増収
国内重工大手の三菱重工業、川崎重工業、IHIの3社は2021年度の決算説明会を2022年5月に相次いで開催した。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)への取り組みや、ウクライナ問題による影響などを踏まえた上で、各社のトップが現状および今後の事業の見通しを示した。
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20kWhの電池は「中途半端」、日産の軽EVにヒットの秘策あり
その名も「サクラ」─。日産自動車が2022年5月20日、新型軽電気自動車(EV)を本社(横浜市)で発表した。搭載した2次電池(以下、電池)の容量は20kWhで、満充電時の航続距離は約180km(WLTCモード)。価格は200万円を超えており、軽自動車としては高額だ。それでも、EVとしてはかなり思い…
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崩れた「新生三菱電機」の筋書き、40年にわたる不正の謝罪でかすむ好決算
「顧客と株主をはじめとする社会の多くの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしていることを深くおわび申し上げる」。2022年4月28日に行われた三菱電機の2022年3月期(2021年度)決算会見は、再び漆間(うるま)啓社長が頭を下げるところから始まった。FAシステムと空調機器が好調で、売上高は前年比…
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トヨタ、豪州で「欠陥DPF」のなぜ 開発設計に詰めの甘さか
オーストラリア連邦裁判所は2022年4月7日(現地時間)、トヨタ自動車(以下、トヨタ)のディーゼルエンジンの部品であるDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)に対して「欠陥」を認める判決を出した。
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アルコールで誤作動するCO2センサー、測定方式に問題ある格安品が流通
新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから2年余りが経過した。さまざまな感染症対策が登場し、街中のあちらこちらで非接触の体温計や二酸化炭素濃度測定器(CO2モニター)などを見かける。もちろん、対策は重要だ。ただ、こうした機器が表示する数値が正確でないとしたら、むしろ悪影響をもたらすのではないだろ…
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MgダイカストのCO2削減技術 東海理化が開発、トヨタも高評価
マグネシウム(Mg)ダイカスト製品を手掛ける東海理化が、環境負荷軽減の技術を確立しつつある。ライフサイクルアセスメント(LCA)を踏まえた二酸化炭素(CO2)排出量の低減を進めているのだ。その積極的な姿勢をトヨタ自動車も評価。優れた仕入れ先を表彰する「環境推進 優秀賞」を2022年3月に東海理化に…
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水面下で進む日本車のアルミ化、大物部品の砂型鋳造の需要急増
「アルミボディー」の検討が日本車でも進みつつある。アルミニウム合金の構造部品の砂型鋳造を手掛ける木村鋳造所(静岡県・清水町)は、「昨年(2021年)から自動車メーカーから先行開発段階における試作の需要が増えてきた」と語る。
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プラスチック資源循環法が施行へ、バイオプラで買い負けする日本
2022年4月1日、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)」がスタートした。一般には「使い捨てスプーンの有料化」といった表現で広まりつつあるが、実際には、製品の設計から廃棄までに関わるあらゆる主体にプラスチック資源循環などの取り組みを促す法律だ。製造業もこの法律…
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核融合炉開発で日本にチャンス、京大発ベンチャーに世界が注目
核融合炉の開発速度が増している。特に日米欧中露などの国と地域による共同プロジェクト「ITER(国際熱核融合実験炉)」の運転開始が2025年に控えており、気候変動問題解決の一助になるのではないかと期待されている。この核融合の分野で高い技術力を保有し、世界の注目を集める日本企業が、京都大学発のスタート…
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造形速度4倍の高速3Dプリンター、新機構の採用と可動部の軽量化が鍵
グーテンベルク(東京・大田)が2022年6月ごろに発売を予定している材料押出(MEX:Material EXtrusion)方式の3Dプリンター(アディティブ製造装置)「G-ZERO」。売りは、税別で100万円を切る価格ながら、「同等の造形エリアと価格帯の3Dプリンターに比べて、造形精度の設定が同…
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電磁鋼板不足は怖くない? JFEが車載モーターコア向け純鉄粉
JFEスチールは、車載モーターのコア(鉄心)向け純鉄粉「電磁郎」(以下、新材料)を開発した。電磁鋼板では製造が難しい小型で複雑形状の鉄心を造れる。同社は主に、電気自動車(EV)など電動車両の補機モーターへの採用を目指す。
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ウクライナ危機で相次ぐ事業停止、金属資源には価格高騰の懸念も
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、国内メーカーがロシア事業を相次ぎ停止している。トヨタ自動車やドイツMercedes-Benz Group(メルセデス・ベンツ)、米Ford Motor(フォード)、ドイツDaimler Truck(ダイムラートラック)などがロシアでの生産停止を発表した。
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ハッカーに狙われたトヨタ、小島プレスへの攻撃で国内全工場停止
2022年3月1日、トヨタ自動車の国内全工場(14工場28ライン)が稼働停止した。取引先の部品メーカーである小島プレス工業(愛知県豊田市)のサーバーがサイバー攻撃を受けてダウンしたのだ。