プラスチック基板を使った有機ELディスプレーを採用し、画面を折り畳んで使えるようにした「折り畳みスマホ」。韓国サムスン電子や中国・華為技術(ファーウェイ)などが相次いで実用化にこぎつけ、盛り上がりを見せている。この記事では2019年9月に発売されたサムスン電子の「Galaxy Fold」(図1)のヒンジ部分を詳細に見ていく。
デジタル家電製品としての折り畳みスマホには特異な部分がある。折り畳み機構を支える可動部(ヒンジ)の存在である。近年のデジタル家電ではハードディスクからSSD(Solid State Drive)への移行、キーボードからタッチパネルへの移行など可動部が減る傾向にあった。この意味で折り畳みスマホはヒンジという可動部が増える、いわば“逆コース"の製品である。ノートパソコンやスマホ以前の携帯電話機(ガラケー)では、ヒンジは重要な差異化項目の1つだった。今後折り畳みスマホが一般化すれば、再びヒンジが競争軸の1つになる可能性がある。