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 2019年10月15~18日に幕張メッセで開催した「CEATEC 2019」の会場では、古参の電機メーカーだけでなく、多くの「ものづくり企業」の姿があった。CEATECが2016年に「CPS(Cyber Physical System)」や「IoT(Internet of Things)」の総合展示会を掲げて以来、存在感を増しているのだ。「スマート工場」を見据えた各社の展示を見ていこう。

オンラインで樹脂加工を受託

 新たな取り組みを発表したのがミスミグループ本社だ。機械部品のオンライン受注加工サービス「meviy(メヴィー)」を拡充し、樹脂材の取り扱いを始めた*1。これまでの金属材と同じ精度で、樹脂材の加工サービスを提供する。同社のブースでは、meviyのデモンストレーションを披露。DMG森精機の工作機械を設置して、加工する様子を見せた(図1)。

*1 2019年11月1日に、白色のポリアセタール(POM)と青色のポリアミド(MCナイロン)で受託加工を始める。
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図1 オンライン受注加工サービスを実演
ミスミの展示ブース(a)と、機械部品のオンライン受注加工サービス「meviy」で扱う樹脂部品の例(b)。(写真a:日経 xTECH、b:ミスミグループ本社)

 ユーザーが3Dデータをアップロードすると見積もりを即座に出し、最短1日で部品を出荷する。短納期を望むニーズを捉えて、売り上げは順調に伸びている。具体的な金額は明らかにしなかったが、2019年3月の売上高は、2018年4月の8倍という。日本を代表するメーカーが顧客に並ぶ。

 ミスミ3D2M企業体代表執行役員企業体社長の吉田光伸氏は、「提供するのは『時間価値』。ユーザーは浮いた時間を創造的なことに使えるようになる」と語る。2020年度中に北米に進出するのを皮切りに、海外展開も進める。国外でも同サービスを提供して、ユーザーの利便性を高める考えだ。