「世界で初めて『光コム』技術の産業応用に成功した」─。技術に強い自信をのぞかせるのが、XTIA(クティア、東京・千代田)代表取締役兼CEOの八木貴郎氏だ*1。同社の測距技術「光コム」はレーザーを使った測距技術の1種。詳細は後述するが、非接触かつ高速でμmの精度での計測を実現できるという(図1)。
JUKI、ニコン、双日らが17億円を出資
八木氏は、「シリンダーブロックのような複雑な形状の部品の形状検査も、光コム技術なら1分で済む。従来の接触式では30分以上かかっていた。光コム技術によって量産ラインでの全数検査が可能になる」と、インライン検査を大きく変える技術になり得ると強気の姿勢だ。既に日産自動車をはじめ国内の主要な自動車メーカーが、厳しい寸法精度が求められる部品の生産ラインのインライン検査にこぞって採用しているという。
この技術に目を付けた大手メーカーが、XTIAとの提携に乗り出した。2020年2月21日、XTIAは、JUKI、双日、ニコンおよび投資ファンドのINCJ(旧産業革新機構)の4社と、インライン全数検査対応の非接触3D形状測定技術を中核とした業務提携で合意したと発表(図2)。各社を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額17億円の資金調達を行った。出資額は、ニコンが8億円、INCJが6億円、JUKIが2億円、双日が1億円である。