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 英国とフランスが共同開発した超音速旅客機(SST)「コンコルド」の引退からおよそ17年。今、再びSSTが離陸する日が近づいている。取り組む企業の中で先行するのが、2014年創業の新興企業である米国Boom Technology(ブーム・テクノロジー)*1。小型試験機「XB-1」を20年10月にロールアウト(工場から機体を搬出して公開)した(図1)。21年に超音速での飛行試験を始める。

*1 プレスリリースなどではBoom Supersonic(ブーム・スーパーソニック)と表記されている。
図1 Boomの実証試験用の小型超音速機「XB-1」
図1 Boomの実証試験用の小型超音速機「XB-1」
20年10月にロールアウト、21年に超音速での飛行試験を始める。(出所:Boom)
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 並行して、全長約200フィート(約61m)で乗客65人以上を乗せてマッハ2.2で飛行するSST「Overture」を開発中である(図2)。実現できれば、例えば東京と米国シアトルのフライト時間を現在の約8時間30分から約4時間30分に短縮できるという。

図2 「Overture」のイメージ
図2 「Overture」のイメージ
全長約200フィート、乗客65人以上を乗せてマッハ2.2で飛行する。(出所:Boom)
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 BoomはXB-1の試験結果を踏まえ、23年の製造開始、25年のロールアウトを目指す。その後、「型式証明」を取得し、29年に乗客を乗せてフライトする目標を掲げる。