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エンジンの印象が強いマツダが、電動化に力を注ぎ始めた。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の開発状況、欧州環境規制対策の実情、世界で加速し始めたカーボンニュートラル(炭素中立)化への考えについて、マツダ副社長執行役員の藤原清志氏に聞いた。(聞き手は清水直茂=日経クロステック)

ふじわら・きよし:1960年生まれ。1982年マツダ入社、2003年マツダモーターヨーロッパ副社長、2007年パワートレイン開発本部長、2013年常務執行役員、2016年取締役専務執行役員、2018年代表取締役副社長執行役員(写真:橋本正弘)
ふじわら・きよし:1960年生まれ。1982年マツダ入社、2003年マツダモーターヨーロッパ副社長、2007年パワートレイン開発本部長、2013年常務執行役員、2016年取締役専務執行役員、2018年代表取締役副社長執行役員(写真:橋本正弘)
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2020年11月9日の中期経営計画の見直しで、EV専用プラットフォームの自社開発の検討を始めると発表しました。

 当社は30年時点で生産する全ての車両を電動化すると宣言しました。(21年度までに)その中核技術が全てそろいます。(高効率ガソリンエンジンの)「スカイアクティブX」やマイルドハイブリッド車(MHEV)、(エンジンを縦置きする)「ラージプラットフォーム」、PHEV、直列6気筒エンジンなどです。

 そこで(22年度から)次のステップに進み、EVが普及する時代に備えようと考えているのです。我々は他社のように、全ての技術を一斉に手掛けられませんので、順に進めているわけです。

中期経営計画の期間内(20年3月期~26年3月期)に、EV専用プラットフォームを量産するのですか。

 いやいや、そうは言ってません(苦笑)。EVプラットフォームの開発に「着手する」という意味であって、量産するとは言ってません。35年、40年という長い期間を見据えてどうするのか考えていきます。